四六時中、いろんなことを考え、いろんなものを見て、最後にそのエッセンスを絞り出してネタを作った。それがすべてウケるわけではないが、レオザはクラスのネタ見せで高く評価され、選抜クラスに入り、NSCのライブにも出るようになった。そうして、NSC内のトーナメントで優勝する。

学校で一番に「次は先輩たちと勝負」

「学校で一番になって、努力をすれば報われる。次は、売れている先輩たちと戦って勝負だなって思っていました。がんばることができたのは、それまでの成功体験があったからです。高校の時、バスケ部に入ったんですけど、高校から始めたのは僕だけだったんで、夜とか体育館を勝手に開けてシュート練習とかをしていたんです。徐々にうまくなって、レギュラーになることができました。お笑いも同じで、努力してネタを作って報われた。才能は大事ですけど、成功体験が積み重なっていった結果、今後も努力していけばやっていけると、その頃はそう思っていたんです。でも、お笑いの世界は、そんなに簡単じゃなかった」

　レオザは「さぁこれから」と階段を登り始めたが、自分の将来をイメージできなかった。

「自分なりの方法論で作ったネタがウケていたんですけど、絶対にこれをやりたいと思うものがなかったんです。ただ、自分が面白いものを見せたいと思うだけで、自分のキャラクターを確立し、自分を商品として提示していくところまでいきつけなかった。あと、僕は人を観察する気がなくて、人が何しようが関係ない。自分が努力していればいいだろって考えが強すぎたんです。でも、お笑いって単にウケればいいってもんじゃなくて、お客さんあってのものだし、僕らを使ってくれる人たちがいて、初めて上の世界にいけるわけじゃないですか。それが出来ず、ウケればいい、それだけの芸になってしまったんです」

番組で組み合わせにくい芸人

写真は株式会社シュワーボ提供

　芸人が売れていくパターンは数あれど、舞台でウケて、ディレクターやプロデューサーによってテレビに引っ張り上げられていくのが王道だ。ただ、テレビ関係者が重視するのは、面白さだけではなく、番組でどう活きるのか、どんな反応をして全体をおもしろくしてくれるのか。その画(え)がイメージできる芸人が起用され、そこで経験を積んでいつの間にか売れっ子になるケースが多い。

【次ページ】　芸人のフィジカルの強さ