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30歳井上尚弥が米メディアに語った“5.6”ネリ戦展望「ネリは歩きながら打ってくる感じ」「過激な挑発があれば(山中さんの)想いを乗せていく」
posted2024/03/15 11:04
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Naoki Fukuda
スティーブン・フルトン(アメリカ)、マーロン・タパレス(フィリピン)という2人の統一王者にKO勝ちを飾った井上尚弥は、わずか2試合でスーパーバンタム級の4団体を統一を達成した。その業績が評価され、アメリカの老舗雑誌「リングマガジン」では年間最優秀選手や、全米ボクシング記者協会(BWAA)から年間MVPに表彰されるなど、ほとんどの賞を総なめにした。
今年2月、その栄誉を記念し、井上の独占ロングインタビューがリングマガジン電子版に全2回にわたって掲載された。横浜市にある大橋ジムで収録されたインタビューでは、年間賞だけに留まらず、過去2戦の回顧、今後の展望、階級に対する考え方、そして次戦で対戦が計画されていたルイス・ネリ(メキシコ)についてなど話題は多岐に及んだ。
本稿では、リングマガジンの了解を得た上で、その日本語版を一挙に掲載する。5月6日のネリとの東京ドーム決戦が正式決定した今、“世界最高のボクサー”の生の声を見逃してはならない。
◇井上尚弥インタビュー全2回の前編(後編へ続く)
「数年前と比べて“重み”を感じている」
――リングマガジンの2023年・年間最優秀選手を日本人としては初めて受賞し、同時に全米ボクシング記者協会(BWAA)の年間MVPも受賞しました。これらの栄誉に思うことは?
井上尚弥(以下、NI) ありきたりな言葉になりますが、本当に光栄です。本当にそういう思いです。それがどんな賞であれ、そこを目指しているわけではないのですが、自分が去年戦った結果、内容を評価してもらえたのかなというのはすごく嬉しく思います。
――これまでにもすでに多くを成し遂げてきましたが、アメリカの媒体、団体から最高級の栄誉を得て何か変わったことはありますか?
NI 数年前と比べ、試合をやる重みというか、そういった気持ちは一段と増しましたよね。(リングマガジンの)パウンド・フォー・パウンド1位にテレンス・クロフォード(アメリカ)がいて、試合をするたびにそういった選手と比べられる位置まで来ている。1試合、1試合の重みや重要さというのは感じながら戦っています。
――そういった気持ちはプレッシャーにもなり得るのでしょうか?
NI プレッシャーというより、いい意味の重圧です。モチベーションですかね、どちらかというと。