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北朝鮮戦5日前の通告「サウジに渡航せよ」なでしこ広報が語る“五輪切符舞台ウラ”熊谷紗希は2万キロ移動、清水梨紗「朝起きてどっと疲れが…」

posted2024/03/07 17:02

 
北朝鮮戦5日前の通告「サウジに渡航せよ」なでしこ広報が語る“五輪切符舞台ウラ”熊谷紗希は2万キロ移動、清水梨紗「朝起きてどっと疲れが…」<Number Web> photograph by JFA/AFLO

パリ五輪の出場権を大きく手繰り寄せる追加点を奪った藤野あおば(20歳)。歓喜のウラには多くの懸命なサポートがあった

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 2月28日、パリ五輪の出場権を獲得したなでしこジャパン。北朝鮮との2連戦に1勝1分で競り勝ち、実に12年ぶりに自力で出場権を掴んだ。
 国立競技場に集まった2万人以上の観客と共に喜びを爆発させたが、重圧から解放されたのは彼女たちだけではない。第1戦(同月24日)の開催地が数日前まで未定のまま決戦への準備を進めるなど、前代未聞の事態に立ち向かったスタッフの奮闘があった。広報が舞台裏を明かす。

北朝鮮・平壌で開催されるはずが…

 サウジアラビアへの渡航が知らされたのは、試合からわずか5日前、2月19日のことだった。

 しかも、この時点でまだ試合開催地は「正式決定」ではない。

 それでも、試合に向けた準備の過程、持ち合わせる情報を鑑みると、それがベストの判断だろうと腹をくくった。決して見切り発車だったわけではないが、主催者の署名が入った文書が出ていない中での渡航を決断するのは、簡単ではなかった――。

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 なでしこジャパンが2012年のロンドンオリンピック以来、自力での五輪出場を決めたアジア最終予選、第1戦を前にしての出来事である。

 当初、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌にある金日成スタジアムで開催される予定だった試合は、関係者の現地渡航手段が限られることなどからアジアサッカー連盟(AFC)により中立地開催へと方針転換がなされた。だが、その会場がなかなか決まらない。

 最終的にAFCの公式サイトから正式に会場が発表されたのは、試合3日前の2月21日。この時、選手たちはすでに機中でサウジアラビアに向かっていた。

【次ページ】 行き先が決まらぬまま合宿スタート

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