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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「外見と内面の乖離が(笑)」セクシー女優レスラー・ちゃんよたの“素顔”「筋トレだけではどうにもならない」プロレスの奥深さ《特別グラビア》
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/03/04 11:01
インタビュー前編では、プロレスラーとして活躍の場を広げるちゃんよたに“プロレスならではの難しさ”などについて聞いた
筋トレとプロレスの決定的な違い
プロレスはパワーだけではない。強力な技があればいいわけではない。極端に言えば勝つだけでも足りない。試合を重ねることで、ちゃんよたはプロレスの奥深さ難しさを知った。だからこそ、プロレスの深い部分に到達している奈七永と水波を意識するようになった。
「あの2人は今の自分にないもの、必要なものを持っている。目指すべき選手です」
プロレスには「筋トレだけではどうにもならない」部分があるとちゃんよた。筋トレはコツコツ続けることで目に見える変化がある。そこは学校の勉強に似ているようだ。ちゃんよたも勉強は好きだし得意だった。
「正解があることをやるのは得意なんです。正しいやり方で少しずつでも努力すればいいので。正解があるものに対しては頑張れるんです。でも人を喜ばせるとか見ている人を巻き込む魅力とか、そういうのは正解を教えてもらえるものじゃないので(笑)」
問われているのは「プロレスのコミュ力」だ。プロレスにおいて、対戦相手は打ち負かす対象というだけではない。勝ち負け以外のところでもコミュニケーションが発生する。そして相手と闘うことで、観客とコミュニケーションを取る。
「プロデュース公演も、自分がやることに興味を持ってもらえるかという闘いじゃないですか。怖いですよね。筋トレは自分の世界だけで完結できる。でもプロレスは自分1人ではできない。相手がいてお客さんがいて、みんなを巻き込んで一つの世界を作るもの」
「外見と内面の乖離は相当ありますね(苦笑)」
たとえば、1月に自主興行を開催して後楽園ホールを満員にしたウナギ・サヤカは“プロレスコミュ力”が突出しているタイプだろう。
「会ったことはないですけど、ウナギさんは凄いですよね。何かをやる時に理性のストッパーがかからないんだと思います。うらやましいです」
ちゃんよたはというと「相手の気持ちとかを勘ぐりすぎてしゃべれなくなるタイプ」だという。
「プロレス界には、何か一つの要素が突出してる人がいるんですよね。やっぱり平均的な人間はスーパースターになれない。私は感覚としては一般の人に近いんだと思います。外見と内面の乖離は相当ありますね(苦笑)」
常人離れした筋肉と“真面目でコツコツ”な性格と。一般人と変わらない内面を持つからこそ、ちゃんよたは試行錯誤している。ただ、そのことを隠さないところに“巻き込む力”が秘められているような気もする。
《後編に続く》