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「青学大は過去最高のスカウト」高校No.1&No.2も、駿河台大監督の息子までも青学大に…高3の長距離ランナーはどこへ行く?<一覧リスト付>
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2024/02/29 06:00
高校5000mで日本人トップの記録を持つ折田壮太(須磨学園)。淡路島から船で通学し、練習を積んだ原石は関東の青学大でどのような活躍を見せるのか
14分台の選手は面子が非常に個性的だ。駿河台大の徳本一善監督の子息である徳本陽(東農大二・14分06秒64)、さらに若林宏樹の弟・若林良樹(洛南・14分17秒36)、黒田朝日の弟・黒田然(玉野光南・14分19秒13)が入学予定で、チームに2組の兄弟選手が新たに生まれることになる。若林は兄・宏樹を尊敬しており、箱根は10区希望で彼女に応援されながら箱根駅伝を走りたいという。黒田はインターハイ3000m障害2位の実績を持ち、三浦龍司を超える選手になるのが目標だ。徳本監督と黒田の父親は法政大のチームメイトで、子どもが青学大で同期になるのは、何か不思議な縁を感じる。さらに、橋本昊太(滋賀学園・14分02秒48)、植村真登(いわき秀英・14分03秒62)、安島莉玖(大垣日大・14分06秒47)、福富翔(須磨学園・14分09秒05)、松田煌希(清風・14分15秒74)、船越碧(九州学院・14分26秒21)と、現時点で判明している入学予定の選手は全員が14分30秒以内というとんでもなく高レベルな新入生が揃った。
「最強の黄金世代」に?
青学大は、過去最高、破格のスカウティングに成功したといえよう。この1年生に加え、3本柱の2区区間賞の黒田、3区区間賞の太田蒼生、5区2位の若林が軸となる中、新主将の田中悠登、さらに白石光星、鶴川正也、野村昭夢ら4年生に加え、1区9位の荒巻朋熙、8区区間賞の塩出翔太、10区2位宇田川瞬矢らもおり、選手層は相当に分厚くなった。正直なところ箱根にBチームを出してもシード権を獲れるぐらいの選手層を誇っているといっても過言ではない。折田ら1年生が順調に成長していけば、その多くが3大駅伝に絡んでくるだろうし、主力と噛み合えば大学駅伝3冠も見えてくる。2024年入学組は、近年で入学時から騒がれた東海大の黄金世代を超え、それ以上の輝きを放つ「最強の黄金世代」になるかもしれない。
早稲田大には日本人高校生3位だけでなく…
高校5000m日本人ベスト3位の山口は、早稲田大に進学する。佐久長聖―早稲田大のラインは、大迫傑(Nike)が有名だが、今春に大学最上級生になる伊藤大志も同じ流れだ。山口は、都大路3区で留学生たちと互角に戦い、日本人トップの区間3位でチーム優勝に貢献した。都道府県駅伝でも昨年の4区と今年の5区を2年連続区間賞で駆け抜けるなど、タイムよりも強さを重視しており、駅伝では勝つことを意識している選手だ。層が薄い早稲田大では即戦力として3大駅伝に起用されるだろう。
花田勝彦監督になって3年目のシーズンは、山口の他にも監督自身がスカウティングした好タイムの選手が入学予定だ。