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「ブサイク」「おばさん」というヤジも…高知の人気女性ジョッキーが経験した“容姿への誹謗中傷”「女性騎手はアイドル化している」
posted2024/02/12 06:00
text by
大恵陽子Yoko Oe
photograph by
Keiji Ishikawa
国内の女性騎手で歴代2位の勝利数を挙げ、2021年に調教師に転身した宮川真衣調教師(旧姓:別府)。少しずつ女性が増えてきた競馬界ながら、結婚・出産を経験しながら騎手から調教師へとセカンドキャリアを歩む人はまだ少数にとどまっている。
インタビュー全3回のうち第1回の本記事では騎手時代の葛藤について話を伺った。(Number Webインタビュー)
インタビュー全3回のうち第1回の本記事では騎手時代の葛藤について話を伺った。(Number Webインタビュー)
父は大反対、その真意は…
――宮川真衣調教師はお父様が別府真司調教師。元騎手でもありますが、宮川調教師が「騎手になりたい」と伝えると、猛反対されたそうですね。
宮川 小さい頃は競馬場に住んでいて、物心ついた時から馬に乗っている人を見るのが当たり前だったので、「カッコいいな。私も馬に乗りたいな」と思っていました。小学生の時は父も「いいやん、やったらええ」と答えていたのが、中学2年生の三者面談で改めて騎手になりたいと言ったら急に「いいわけないやろ」って大反対。自分は一度やりたいと決めたら納得いくまでやりたい性格で、毎日喧嘩でした。見かねた母が父に「真衣の将来に責任取れるの?」と言ってくれて、何とか許可が下りました。
――お父様が反対した本心は?
宮川 騎手の跡継ぎが欲しい気持ちはあったみたいなんですけど、父は騎手時代に怪我が多くて、危ない世界に自分の娘を入れたくなかったみたいです。親となったいま、父の気持ちも分からなくはないですけど、子供には子供の人生があるから、やりたいと言うことは応援してあげたいなと思います。
若い頃は「恵まれていた」「勘違いすることも」
――大反対だったお父様も応援してくれるようになり、デビュー戦はお父様が用意してくれた馬でいきなり初勝利。その後もどんどん活躍を続け、18歳7カ月で50勝達成という女性騎手最年少記録なども打ち立てました。
宮川 あの頃は生意気やったなと思います(笑)。