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昼食はカレー、蕎麦からの焼きそば…それでも体重が増えない大物ドラ1右腕、カープ斉藤優汰の類まれなる「食い力」 

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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posted2024/01/29 06:00

昼食はカレー、蕎麦からの焼きそば…それでも体重が増えない大物ドラ1右腕、カープ斉藤優汰の類まれなる「食い力」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

昨年の入団直後のキャンプで、黒田博樹球団アドバイザーが見守る中、投球練習する斉藤

 ある日の昼食、ともに自主トレする大道温貴や小林樹斗とともにカフェレストランへ行くと、カレーライスから蕎麦、そして焼きそばを平らげた。その小一時間前には自らコンビニで購入して間食していた。

 また、ある日の夜には、焼肉店で山盛りの白米と肉を何度もおかわり。一食だけで体重が4kgも増えた。ただ、増えた体重はすぐに落ちてしまったという。

「普段も食べた分、減ってしまう。夜食を食べたりしないと減っちゃう。いくら食べても体脂肪率が10%にいかない。8%くらいしかなくて、炭水化物を摂っても太らない。でも脂を摂るのも違うなって。体脂肪率が10%ないと夏は厳しいと言われたので、頑張っているんですけど……」

 食べることは得意でも、体重、体脂肪率が増えない体質に思わず苦笑い。それでも、苫小牧中央高時代は1年時から夕食と夜食合わせて、どんぶり茶碗で10杯の白飯を食べてきた“食トレ”の成果で身長が8cm伸び、体重も20kg増えた。球速は10km以上速くなり、最速151km。ドラフト1位でプロ入りする投手となった。

2年目で挑む高い壁

 高い吸収力と消化力は今も変わらない。今オフもたくさん食べ、たくさん動き、そしてたくさん学んだ。

「成長できている実感があります。自分たちはつらそうにやってしまうんですけど、大地さんは平然とやっている。ついていけるようにならないといけない。技術的なところもそうですけど」

 斉藤が挑む壁は高い。広島先発陣は、昨季11勝の床田寛樹をはじめ、九里亜蓮、森下暢仁、そして自主トレをともにした大瀬良の4本柱が揃い、昨季台頭した森翔平のほか、遠藤淳志や玉村昇悟ら若手も控える。ドラフト1位の常廣羽也斗ら新人もその座を狙っている。

 無論、過度な期待は禁物だ。斉藤はまだ、開幕ローテーションを狙う立場ではないかもしれない。首脳陣もきっと一歩一歩成長していくことを望んでいるに違いない。ただ、その一歩は、ほかの選手よりも大きな歩幅となるスケールを感じさせる。2年目のシーズン、どこまで大きく伸びていくのか——。南国宮崎で、斉藤は2度目の春を迎える。

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