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「テラジの健康が心配だ」パンチをもらいすぎた寺地拳四朗に英国人記者が忠告「統一戦よりフライ級に昇級して」防衛成功も評価は“D”
posted2024/01/26 17:01
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Hiroaki Yamaguchi
寺地拳四朗(BMB)の戦い方は正しかったのか――。WBA、WBC世界ライトフライ級王者の寺地は1月23日、元WBA王者カルロス・カニサレス(ベネズエラ)と激闘の末に2-0判定勝ちを飾った。
両者がダウンを応酬し、フルに打ち合ったバトルは多くのファンを興奮させた。ただ、過去数戦は支配的な強さを見せていた寺地は厳しいダメージを負い、そのファイトスタイルに疑問を呈する声も少なからず挙がっている。
試合後、リングマガジンの元編集人であり、現在はスポーティングニュースで健筆を振るうイギリス人ライター、トム・グレイ氏に意見を求めた。グレイ氏は軽量級、アジアのボクシングにも精通しており、その言葉には常に説得力がある。
以下、グレイ氏の一人語り。
早くも年間最高試合にノミネート?
寺地対カニサレス戦は素晴らしい内容の試合になりました。両者が熾烈な打撃戦を展開し、息もつかせぬスリリングな攻防でした。2024年はまだ始まったばかりですが、今戦はFight of the Year(年間最高試合)の候補に入るでしょう。
最後の2ラウンド、寺地が足を使い、その間はアクションに乏しくなったために、年間最高試合の受賞は叶わないかもしれません。それでもファンを興奮させる打ち合いだったことに変わりはありません。
カニサレスは知名度が示す以上に優れた選手であり、ビッグイベントのメインを張るのに相応の実力者でもありました。ダメージを受けても回復し、中盤にはもうスタミナ切れを起こしたようにも見えながら、最後まで戦い抜いたことに驚かされたのは私だけではないでしょう。敵地という厳しい状況の中で、勝利を目指したカニサレスの技量と闘志もリスペクトされて然るべきです。