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「何を言ってるんだ。日本は強いだろ」アジアカップ現地カメラマンが海外メディアに聞いた“日本代表へのホンネ”…それでも苦戦が続くのはなぜか?

posted2024/01/25 17:50

 
「何を言ってるんだ。日本は強いだろ」アジアカップ現地カメラマンが海外メディアに聞いた“日本代表へのホンネ”…それでも苦戦が続くのはなぜか?<Number Web> photograph by Masashi Hara

1-2で敗れた1月19日のイラク戦、相手選手に包囲される久保建英。「優勝の本命」と見なされる日本代表だが、一筋縄ではいかない戦いが続いている

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原壮史

原壮史Masashi Hara

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Masashi Hara

「いやぁ……これは完敗ですね」

「強かったね。前半なんか何もできなかったもんね」

 1月19日。イラクとの試合が終わり、撮影機材を片付けながら顔見知りのフォトグラファーとそんな会話をした。通りがかった別のフォトグラファーも加わる。

「気迫が違いすぎだよ」

 ピッチサイドから望遠レンズで試合を追っていると、個人の表情や部分的な激しさを拡大して見ているぶん、技術の差よりも気迫が“手前”にあるように感じることが少なくない。とりわけ今回に関しては、そもそもアジアの戦いというのはそういうものだった、と改めて感じた。連日各国の試合を撮影し、アジアカップは技術以上に精神的な部分が結果に結びつくケースが多いことを体感していたものの、「史上最強」と言われている自分たちの代表チームに対しては、どこか楽観的だったのは否めなかった。

通信社カメラマンのホンネ「日本が優勝すると思う」

「どこから来たんだ?」

 国際大会で撮影ポジションに着くと、高い確率で海外のフォトグラファーからそう聞かれる。

「日本だよ」

 そう返すと、これも高確率で「おお、日本か。いいね。強いよね」と言われる。日本戦の会場ならば、さらに「今日は何ゴールくらい入ると思う?」といった質問が続く。

 W杯本大会はまた別だろうが、一昨年にインドで行われたU-17女子W杯でも、昨年インドネシアで行われたU-17W杯でも同じようなやり取りがあった。フォトグラファーだけでなく、大会を運営するオフィサーからも同じようなことを言われる。AFC圏内での日本に対する評価は、それくらい高いところで安定しているのだ。

 もっとも、これまでの「強いよね」は「グループリーグは余裕でしょ?」や「優勝候補のひとつだよね」くらいのニュアンスだった。

 ところが、今回のアジアカップは少し様相が違っている。

 開幕戦で隣に座っていた他国の通信社のフォトグラファーと先のやり取りになり、いつものように「まあまあだよ」とジェスチャーすると、彼は“食い気味”にそれを否定した。

「まあまあ? いやいや、何を言ってるんだ。日本は強いだろ。ドイツに勝って、スペインに勝って、またドイツに勝ったじゃないか。間違いなくアジアで一番強いよ。俺は日本が優勝すると思ってるよ」

 英語が得意でなくても、話し方でお世辞でないことはわかった。翌日のオーストラリア対インドでも、別のフォトグラファーから同じようなことを言われた。

 W杯に連続出場するようになってから高めで安定していた日本に対する評価は、先のカタールW杯での2勝と、その後ドイツのホームでのリベンジマッチを返り討ちにしたことによってかつてないほど高まっていた。

【次ページ】 なぜトルシエもイラク監督も「自信満々」だったのか?

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