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“ケチックス”という皮肉も…オリックス前オーナー・宮内義彦はそれでも「黒字化」を求め続けた パ・リーグ3連覇、常勝軍団を築いた88歳の“日本一の経営哲学”
text by
宮内義彦Yoshihiko Miyauchi
photograph bySankei Shimbun
posted2024/02/10 06:02
オーナー最終年の2022年に26年ぶりの日本一を達成した宮内義彦前オーナー。低迷も栄光も味わった経営者が貫いた信念とは――。
いつまでも広告宣伝費と称する赤字で親会社に頼っているようでは、スポーツビジネスとしてのマーケットの拡大は見込めません。広告宣伝媒体として生きるのではなく、スポーツビジネスとして確立する方向へとかじを切るべきだとの思いは年々強くなっていきました。
安定的に強いチームと球団単独での黒字化
オリックスは2023年のペナントレースも制し、パ・リーグで3連覇を成し遂げました。長く低迷し、暗い時代が続いたオリックスが、安定的に強いチームへと進化できたのです。その要因の1つに、球団の努力が徐々に実って、ついに単独で黒字化を果たしたことがあると思います。
かつてのオリックス球団のように赤字が続くと、帳尻合わせのように近視眼的な方向性に経営を振ってしまいがちです。黒字化を果たせば中長期的な視点を持ち、自信を持って若手の育成に注力できる。
その方向性が定まったからこそ、オリックスは最下位からトップへと昇華できたんだと確信しています。
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