当時からそうした考え方を受け入れてはいた。ただ、自分の中には根本として「派手にしたい」という気持ちもあった。

「だからできる範囲内でのオシャレは絶対にしようと思っていて。多分、先生からしたら全然『枠』にハマっていなかったのかもしれませんが（笑）。着飾ることに対して何も言われないように、しっかりやるべきことはやって、結果を出すというモチベーションもありました」

　好きな見た目でレーンに立つことで、レースに向かう気持ちも高ぶる。自身の中で譲れないスタイルを貫くために、トラックでブレない強さを証明する。和田にとって、オシャレと競技はそんな両輪関係にあったのだろう。

「自分のスタイル」を出せる雰囲気は素晴らしい

　最近は、日本でも個性をアピールするヘアカラーやメイクなどオシャレを楽しむ女性アスリートは増えている。そうした空気感の変化について、先駆者でもある和田は嬉しそうにこう語る。

「最近の女性アスリートは自分のスタイルやポリシーを出していく雰囲気が高まっているように感じますね。代表選手の中でもオシャレを楽しむことが浸透してきているし、そういう選手たちが率先して記録や結果も出しているので、それを否定する人より、応援している人のほうが増えているのかな。

　それは選手たちの努力や結果の証だと思うので、素晴らしいことだなって思いますね。私のように、オシャレができるから頑張れるという選手もいるだろうし、そういう子たちが増えていったらいいですよね」

#3に続く

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