- #1
- #2
格闘技PRESSBACK NUMBER
朝倉未来への愛憎をさらけ出し…平本蓮は“善人”になったのか? 激闘後、敗者YA-MANを称えた真意「心が弱い? そんなことないから」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2024/01/05 17:01
『RIZIN.45』でYA-MANに勝利した平本蓮。試合後はトラッシュトークを抑え、敗者の「気持ちの強さ」を称えた
「この試合に向けて、ジムに行っている途中や練習の帰り道の1人の時間にいろいろ考えたりしていたんですけど、やっぱり1人ではダメ。チームがあって、家族があって、仲間がいて、1人ではないと思いながら頑張っていた。おかげで、すごく気持ちが強くなりました」
記者会見で吐露した朝倉未来への“感謝”
試合前から平本はいつものパフォーマンスで追い風を吹かせていた。例えば、12月10日、渋谷駅前で行なわれた追加対戦カード発表記者会見。事前にSNSで通達していたので、ギャラリーは平本のファンで溢れ返っていた。対戦相手のYA-MANはほとんどヒール扱いで、ブーイングすら飛んでいた。そして会見で平本は同席したYA-MANの存在をほぼ無視するかのように、朝倉未来への感謝の気持ちを吐露した。
「僕は20歳の時にK-1にいて、その時に将来がすごく不安で。いつ崩壊するかも分からない状況で、孤独もあったし、すごく怖かったんですよ。それでK-1を抜けて、自分で世界へ向けて『格闘技でもっと盛り上げるものをやっていきたい』と思った時に、そのタイミングで朝倉未来が現れた。シンパシーを感じたというか、本当に感動した。こんな面白い選手を待っていた」
続いて、なぜ人に噛み付くのかということにも言及した。
「どうやって盛り上げて行けばいいかって考えた時に、とにかく俺は噛みついて喧嘩打って、盛り上げてやろうって思いました。最初は本当にバカにされまくったし、いろいろ言われたけど、本当に朝倉未来がいたからRIZINでMMAやろうって思ったんですよ。当初はこんなに早くやるつもりじゃなかった。キックボクシングでどうにかしようって思っていた矢先に朝倉未来が現れた。変な話、アイツのおかげでMMAを始めたようなもんです」
YA-MANを必要以上に熱くさせるための手段も選ばなかった。出席が義務づけられている決戦前日の公開計量を欠席したのも、そのひとつだったのではないか。公開計量の2時間半前に行なわれた本計量はクリアしており、試合をするのに問題はなかった。その代わり平本はSNSで最後の決意表明を行なった。
「YA-MAN明日リングで会おう」
公開計量に出席したYA-MANが「(平本は)ビビって来られなかった」と発言すると、それに呼応するかのように、平本は再びSNSで「ビビっていけなかった」と投稿する余裕すら見せた。