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バレー界にも“大谷翔平”効果? 2023年“獲りまくった”小野寺太志が語る世界にビビらなくなった理由「自分でも出来過ぎなんじゃないかと」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byYuki Suenaga
posted2023/12/30 11:04
2023年を振り返ったバレーボール日本代表・小野寺太志(27歳)。今季から加入したサントリーサンバーズでも世界クラブ選手権3位に貢献した
今回の世界クラブ選手権は、当初ヨーロッパ代表として昨年度の欧州チャンピオンズリーグ1位ケンジェジン・コジレ、2位ヤストセブスキ(ともにポーランド)に出場権が与えられたが、この2チームが出場を辞退。3位だったハルクバンク(トルコ)、4位ペルージャが繰り上がって出場したが、それでも世界的な強豪に違いはない。
この舞台でメダルを獲得したことの意義を小野寺はこう捉えている。
「サントリーは今年代表で戦った選手が僕以外にいなかったけど、それでも世界と戦えたということは、日本人のバレーの力が高いレベルにあると証明できた大会だと思う。実際(準決勝は)勝てた試合を落としてしまっての3位だと思うので、もっと上の順位が残せたのかなとも思いますけど、まずは一つ形になるものとしてメダルを獲れたのはよかったと思います」
日本代表だけでなく、日本のVリーグのチームも世界に通用すると証明できたことは小野寺にとって大きな意味を持つ。
「プロになってから、いろいろ考えていたので。海外に行くべきなのかとか……」
2021年にJTの社員からプロ選手となって以降、海外リーグでプレーするべきかどうかは常に迷うところだったという。
石川を筆頭にアウトサイドやリベロの選手が早くから海外リーグでプレーし、セッターの関田やオポジットの西田有志(パナソニック)、宮浦健人(パリ・バレー)も海外を経験したが、ミドルブロッカーで海外に出た男子の代表選手はまだいない。
「日本人のミドルがどこまで海外で評価されるかわからないので……。日本のリーグよりレベルが下がるところでやるのは、僕自身はあまり意味がないと思っていました。例えばサントリーにムセルスキーがいたり、パナソニックにクビアクが(昨季まで)いたり、世界のトップ選手が日本にきてから、ここ数年でVリーグのレベルはすごく高くなったと感じていましたから。それを今回、クラブ代表として世界と戦って証明できたことで、僕の考えは間違っていなかったなと思った大会でもありました」
確信を得て、迷いなく来年へ突き進む。
来年の目標は「まずは代表に選ばれることだし、パリ五輪でメダル、理想は金を獲ること。もちろんVリーグで優勝することもそうですし、やっぱり高い順位を獲り続けたいというのは変わらないですね」。
2024年も、獲りまくる。