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「自然に涙が出ちゃいました」三浦佳生18歳が会心の演技! でも不満を口にしたワケ…世界選手権代表の発表は「焼肉食べながら待ってました」
posted2023/12/27 17:36
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Asami Enomoto
逆境からのスタートだった。北京で行われたGPファイナル(12月7−10日)で胃腸炎にかかり、帰国後、なか8日で全日本選手権の会場へ。練習不足と体力低下の不安を抱えながら、世界選手権の出場枠をめぐる激戦を迎えていた。
お腹の痛みで目が覚め、病院へ
12月20日に長野入りすると、気合い全開の様子を見せた。本人が、「なかなか振り向いてくれない元カノ」とたとえる4回転ループも、公式練習で着氷。手応えを感じたのか、三浦節もなめらかになる。GPファイナル後、体重が3kg減ったことを告白し、「ステーキレストランで450gのステーキを食べても体重が戻らない」と冗談を言うほどの余裕ぶりだった。
ところがショート本番の朝、「まずお腹の痛みで目が覚めました」。腹痛と吐き気が止まらず、朝の公式練習を欠席して、長野市内の病院へ。
「行ったらまず、高校生までは小児科って言われて(笑)。1歳の赤ちゃんと一緒に診療に並んでいたんですけど、赤ちゃんに元気もらいました」
転んでもただでは起きないのが三浦。胃腸薬をもらうと、夜のショート本番には、闘志を取り戻していた。
「GPファイナルのときは、2日間まるまる寝込んでから試合だったので不安はありましたが、今回は、昨日滑っていますから不安には思いませんでした。全日本選手権は、結果をだしていかないといけない世界。体調は言い訳にならないので、病院もいきましたし、消化の良いものを食べて、出来ることを尽くします。恐れずに、思い切りの良さを忘れずに、技術的なことはなにも考えずに根性で行くだけです」
演技冒頭、三浦らしさ全開のパワフルな4回転サルコウを着氷し、3回転トウループも連続でつけた。後半の4回転トウループも、余裕のあるランディング。自身初の挑戦となるコンテンポラリー系のプログラムを、丁寧にこなした。
「これ以上言うと、失言してしまいそうなので…」
演技を終えてガッツポーズ。しかし高得点を期待するも、93.91点での4位発進だった。
点が伸びなかった原因は、足替えシットスピンが「ノーカウント」で0点となったこと。インタビューでは、開口一番、不満を口にした。