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「スターダムの大ピンチ」にジュリアは何を思う? ホンネで語る“プロレスで一番大事なこと”「外野の声なんかほっとけ(笑)」《特別グラビア》
posted2023/12/26 17:02
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
スターダムのジュリアを変えたものがあった。それは現在ジュリアが保持している新日本プロレスのSTRONG女子王座のベルトだった。
激震のスターダムで芽生えた“責任感”
今年4月に新設されたSTRONG女子王座のベルトの歴史は浅いが、7月に初代王者ウィロー・ナイチンゲールからこのベルトを奪ったジュリアは、すでに6回の防衛を重ねている。
そして12月29日の両国国技館大会では、映画の世界から抜け出してきたかのような圧倒的なパワーを見せる大巨人メーガン・ベーンと7度目の防衛戦に臨む。
「変わったこと? うーん、考え方でしょう。何でもそう。自分の目指したいものとか、生活とか。好きな食べ物も変わった。髪型もころころ変わるし(笑)。年齢ですかね。あんなにお肉食べたいって言っていたのに、魚になりました。肉もいいけど、魚。お寿司屋さんも行きますし、スーパーでお刺身買って、家でも生の魚をちょっとあぶったりもして。肉食いてえ、というのが、魚になってきた」
ジュリアは来年、三十路を迎える。
「周りからは年齢のことは言われません。でも同じ年の友達が、30って節目だよねって話していて。みんな結婚したり、子供生まれたり、離婚したり、再婚したりとか(笑)」
スターダムは11月に運営などをめぐって激震に見舞われた。新社長には36歳の岡田太郎氏が就任し、徐々に改革が始まっている。
「スターダムが揺れだして、『何とかしなくちゃ』って気持ちが強くなりました。昔は『なるようになるさ』って突っ走ってきたけど、いろいろなことを考えるようになりましたね」
このところ、ジュリアは“大局”を見ているように感じる。8月と10月にはアメリカのフィラデルフィアとラスベガスで試合をした。
「日本とアメリカでは、お客さんの楽しみ方が違うと感じました。飲んできたのかと思うくらいテンション高い(笑)。リングから表情が見えたんですけど、みんな笑顔で、人生を楽しんでいる感じ。自由さを感じましたね。小学生の頃の、イタリアでの生活を思い出しました。普通に道端で音楽流して、若者からじいさんばあさんもみんなで踊ったりしていたんですよ。そこに通りかかった自分も混ざって踊ったりしてね。公園に行くとテラスがあって、お年寄りが社交ダンスしている脇で子供たちがスケボーしていた」