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「なぜ止めないんだ、の声は当たり前だと思う」全日本大学女子駅伝でチームメイトが意識朦朧…それでも大阪芸大の主将が語った「感謝の言葉」 

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荘司結有

荘司結有Yu Shoji

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photograph byL)AFLO、R)Takuya Sugiyama

posted2023/12/29 11:06

「なぜ止めないんだ、の声は当たり前だと思う」全日本大学女子駅伝でチームメイトが意識朦朧…それでも大阪芸大の主将が語った「感謝の言葉」<Number Web> photograph by L)AFLO、R)Takuya Sugiyama

全日本大学女子駅伝ではアクシデントもあり14位となった大阪芸大の主将・北川星瑠(4年)のインタビュー

北川「繋いでくれたことには感謝の気持ちしかない」

 北川はレースを終えた後、SNSに写真とともに〈後輩たちが必死に運んでくれたタスキは本当に重かったです〉といったコメントを載せた。チームのキャプテンとして、前回のアクシデントをどう受け止めたのか。北川は率直な思いを明かす。

「もちろん『何で止めなかった』と思うのは当たり前ですし、それは本当にその通りだと思います。もしかしたら頭を打って麻痺に繋がったかもしれないし、そういう声も受け止めなければいけません。でも、一緒に走った仲間としては、あの苦しい場面でも中継所を目指して繋いでくれたことには感謝の気持ちしかないですし、繋いでくれたことに『ありがとう』と素直に伝えたいです」

 フラットな目で見れば止めるのが当たり前だろう。ただ、必死にタスキを繋ごうとした後輩の走りを否定することはできない。チームメイトだからこその、複雑な思いを持っていたようだ。

「例えば『止めなきゃいけない』という厳しい意見はもちろん受け止めるべきですが、中には『練習不足だ』とかこれまでの過程を否定するような声もたくさんあって……。なんでこんなこと言うんやろうって悲しい気持ちにもなったのですが、やっぱり見返すには結果を残すしかないので」

「応援してくださる方がいるのって当たり前じゃない」

 全日本大学女子駅伝では上位12チームに届かなかったため、その時点での富士山女子駅伝出場は決められなかった。だが、5000m7名のチーム記録による出場が決まり、チームは8位入賞を目指して気持ちをひとつにしている。

 北川自身は前回大会までの2区2年連続区間賞をさらに塗り替える結果を追い求めている。1年前のこの大会で、森脇健児氏の目に留まり、松竹芸能入りが決まった。中瀬監督が「芸大というアーティストたちの集まりである以上、応援してくれる方を楽しませるのが一番」と言うように、最後の大学駅伝で存在感を発揮するつもりだ。

「応援してくださる方がいるのって当たり前じゃないですし、本当に幸せなことだなと思います。女子の駅伝はなかなか箱根駅伝ほど注目されることはないのですが、私の存在をきっかけに、注目してもらえたら嬉しいですね」

 アスリートとして、タレントとして、瑠璃色の輝きを放つ夢にむけて、富士の麓を駆け抜ける。

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