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「賞金50万ドル、取りに行くぞ!」“100倍の給料”のスター選手がなぜ? 八村塁も驚く超人レブロンの尽きないモチベーション〈もうすぐ39歳〉
posted2023/12/18 06:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)は今、人生最大の敵に立ち向かっている。『ファザータイム』(時の翁)だ。人間は誰しも年月とともに年を取り、衰えていくのが自然の摂理だ。それは、超人間級に見えるアスリートでも同じこと。だからこそ「ファザータイムは無敵」と言われる。
NBA現役選手のなかで最年長で、12月30日に39歳の誕生日を迎えるレブロンも、『ファザータイム』の強さを、身をもって感じている。レブロンによると、大変なのは肉体面以上にメンタル面を維持することで、衰えと対抗するために毎日、何時間もかけて準備し、精神を研ぎ澄ませるようにしているのだという。
「できるだけ心を元気に保ち、努力し続ければ、自分を驚かすことができるかもしれない。低い確率でも覆し続けて、できるだけ長く『ファザータイム』との戦いを続けていきたい。みんな、彼は無敗だと言うけれど、何とかヤツにひとつ黒星をつけたいんだ」
NBA史上初の短期決戦
戦いのメンタルを保つのに一番必要なのはモチベーションだ。そんなとき、NBAが新しく『インシーズン・トーナメント』を導入した。シーズン序盤の戦いを盛り上げるためのカップ戦で、グループラウンドとトーナメントラウンド合わせて最長7試合を戦い、優勝を決める。レギュラーシーズン82試合、プレイオフも全ラウンドが7戦シリーズで行われるNBAにおいて、これまでになかった短期決戦の大会だ。準決勝と決勝はラスベガスで行われ、優勝賞金は各選手50万ドルというのも魅力だった。
新しい試みだけに、懐疑的だったり、仕組みもわからず試合をしていた選手も多かった中で、レブロンは最初から本気で狙っていた。
「50万ドル、取りに行くぞ!」「ラスベガスだ!」とチームメイトたちを鼓舞してもいた。