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ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
「この俺が病室でつらくて泣いたりして…」天龍源一郎73歳が告白する“闘病生活”の真実…柴田勝頼に打ち明けた「(支えは)猪木さんの姿だね」
posted2023/12/03 11:01
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
Atsushi Hashimoto
柴田 天龍さんは昨年から入退院を繰り返されていたと聞いたんですけど、体調のほうはいかがですか?
天龍 俺の場合、長年プロレスを目一杯続けてきた後遺症という部分と加齢もあるからね。去年の9月から入退院を繰り返して、病院も4つくらい転院したんだけど、毎日、病室でいつも同じ白い壁しか見てないからさ。一日が終われば、「これで今日は終わったからまた明日だな」っていうことしか考えてなかったんだよ。だからホントに思考力が落ちたね。
柴田 入院されるきっかけはなんだったんですか?
天龍 以前は、2本杖をつけば歩けたんだけど、足が動かず歩けなくなったから去年の9月に病院で検査したんだよ。そしたら「環軸椎亜脱臼に伴う脊髄症・脊柱管狭窄症」ってことで、整形外科の医者から「これはイスに座った時の衝撃だけでも骨が頚椎に刺さって突然死するかもしれない」って言われたんだ。
柴田 ええっ!
天龍 要は三沢(光晴)選手が試合中の事故で亡くなったとき同じようなことが、俺の場合、イスに座った衝撃だけで起こるかもしれないって言われてね。それで、そこの病院では手に負えないってことで、高山(善廣)選手も診てもらった頚椎の専門医がいる病院に転院したら、「一日でも早く手術したほうがいい」って言われたんだよ。でも、ちょうどスタン・ハンセンが来日して、彼とトークショーをやる仕事が入っていたから、それが終わるまではちょっと待ってもらって、リモートで出演したんだけどね。
柴田 そんなに悪かったんですね。
天龍の告白「この俺が病室でつらくて泣いたりしてね…」
天龍 転院したその日から、自力歩行も何をしてもダメで、首を動かしちゃいけないから寝たきり状態。首を動かしちゃいけないと言っても、飲み物を飲み込むときっていうのは、必ず首が少し動くんだよ。実際、首にボルトを入れる手術をしたあとは、首を固定したことで飲み込みに失敗して嚥下で肺炎で死ぬ可能性がある、と。だからハローベストっていう頭蓋骨にボルトを直接つけるやつを四六時中つけての生活がそこから始まったね。
柴田 寝たきりで首すら動かしちゃいけない生活がずっと続くって、相当大変ですよね。
天龍 そうこうしているうちに別のところも具合悪くなって、今度は内科医がいる病院に転院したりして。そういうことが続くと、「俺はもういいよ。何もしてくれなくていい」って気持ちになって、この俺が病室でつらくて泣いたりしてね。やっぱり希望がないとそうなるよ。
柴田 自分もそうだったんですけど、先が見えない時ほどつらいことはないですよね。