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阪神タイガース日本一→連載終了のまさか…名物コラムを“辞めた”スポーツ紙著者の複雑な思いとは?「強い阪神を見られる。それなのに…」
posted2023/12/01 11:01
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph by
Hideki Sugiyama
11月5日、阪神タイガースが38年ぶりに日本一になった。スポーツ新聞は今も余韻が続く。しかしショッキングなニュースが報告されたのが11月7日のデイリースポーツだった。
一面は『日本一から一夜明け 岡田監督 球団史上初 リーグ連覇頼んだ』。阪神推しのデイリーにとっては多幸感あふれる見出しである。しかしそのとなりに『「松とら屋本舗」最終回』という小見出しが!
「松とら屋本舗」とはデイリースポーツの松下雄一郎氏が書く名物コラム。阪神ファンなら必読だっただろう。ところが阪神が日本一になったタイミングで終わるというのだ。なぜ?
日本一の感動→翌日がまさかの「最終回」に
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前日の阪神の日本一を伝える紙面では感動に打ち震えていた。
《この感動、虎党は一生忘れないだろう。でも、この日本一戴冠はゴールじゃない。これからもっと強くなる。》
「最強伝説の幕開け」と書いてあった。阪神ファンはこの文章を長い間待ち続けたはずだ。この日は2314回目のコラムだった。
そして最後に「明日書きます。松とら屋から読者の皆さんに、お伝えしなければならないことがあります」と。そのお知らせが「松とら屋本舗」最終回だったのである。
著者が語っていた“連載終了の理由”
辞める理由としては、これから訪れるであろう猛虎の黄金期を記者席ではなく、一虎党として甲子園のスタンドで見たいと。さらに大事な理由が書いてあった。