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「昌磨くんがいたお陰で…」鍵山優真20歳が優勝後に語った宇野昌磨とコストナー・コーチへの感謝「五輪に向かってカロリーナさんと一緒に」
posted2023/12/02 17:00
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Asami Enomoto
GPシリーズ第6戦となるNHK杯(11月24-26日、大阪)の男子フリー。6分間練習で鍵山優真(20)と宇野昌磨(25)が登場すると、満席になった会場から歓声が沸き起こった。
まるで応援合戦かのように、鍵山の青いバナータオルと、宇野の黄色いバナータオルが、所せましと揺れる。そしてリンクサイドには鍵山の父・正和コーチ、その隣にカロリーナ・コストナー、そして宇野を見守るステファン・ランビエルコーチ。待望の豪華キャストといったところだ。北京五輪メダリストの2人が今季初めて対戦する舞台は、いつにない熱気にあふれていた。
鍵山は今、スケート人生でも1つの節目となるシーズンを送っている。昨季は怪我のために休養し、反対を押し切って出場した2022年全日本選手権は8位。
「しばらく氷から離れました。スケート人生でここまで滑らなかったのは初めてかな」
2カ月の休養ののち練習を再開すると、プログラムのブラッシュアップのためにイタリアで合宿を行った。振付師のローリー・ニコルの提案で、美しい山々に抱かれるアルプスで、心も身体も作り直す計画。そこにアシスタントとして、カロリーナ・コストナーが参加していた。
「カロリーナさんは、本当に憧れというか、お手本のようなスケーティングを見せてくれる方です。僕はカロリーナさんのソチ五輪シーズンの『アヴェ・マリア』が大好きで『これぞフィギュアスケート』という演技。子供の頃、何度も見て学びました」
「僕は、個性がほしいんです」
憧れのコストナーのような演技のためには、何が必要なのか。考えた末、ひとつの答えを出した。