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卓球PRESSBACK NUMBER
「仲良しグループ的な感じはなかった」銀メダリスト・平野早矢香が語る“卓球女子団体”チームワークの舞台裏「本番より代表選考の方がキツい」
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/12/02 11:03
ロンドン五輪の卓球女子団体銀メダリスト平野早矢香さん
石川さんは今年5月に引退を表明。引退会見では平野さんが涙ぐみながら「3大会連続メダルは石川選手だけが成し遂げた偉業。リオから東京までの5年間、本当に苦しい選考レースでハードだったと思うが」と質問し、石川さんも涙を浮かべた。
――あの時の心境は?
平野 会見は佳純の舞台です。ですから、質問者としては絶対に泣いちゃいけない、こらえなきゃいけないと思っていたのですが、やはり、表に出てないところで佳純が苦労していたことを、少なからず私も感じていました。佳純の偉大さも分かっていました。そういう意味では自分の思いが溢れてしまったところがありましたね。
――会見を通してどんな印象を持ちましたか?
平野 佳純らしい、清々しい会見だったなと思いますね。質問に対して真摯に答えて、自分の思いを丁寧に伝えているように感じました。いろいろな引退の形があると思いますが、すごく佳純らしい引退発表と引退会見だったと思います。
「私の想像を超えるものが今の選手たちにはある」
――平野さんたちが努力でつないできたことで、今の卓球界の盛り上がりがあると思います。
平野 私は2016年に引退したのですが、その時は今のようにスポーツニュースなどで卓球を多く取り上げてもらえるようになるとか、男女ともメダル常連国のようになるとか、想像することが出来ませんでした。私の想像を超えるものが今の選手たちにはあります。自分が携わってきた卓球界が盛り上がっていくことは本当に嬉しいです。
――石川選手の引退後も、後輩たちが頑張ってくれていますね。
平野 私が引退してからは、佳純に自分の夢、思いを託していた部分がありました。そういう意味では、佳純が引退して寂しいという気持ちはありましたね。でも、佳純も全力で戦う姿を後輩たちにしっかりと見せてきたと思うので、そういった姿勢は今の選手たちも忘れずに引き継いでいってほしいと思います。