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「仲良しグループ的な感じはなかった」銀メダリスト・平野早矢香が語る“卓球女子団体”チームワークの舞台裏「本番より代表選考の方がキツい」 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2023/12/02 11:03

「仲良しグループ的な感じはなかった」銀メダリスト・平野早矢香が語る“卓球女子団体”チームワークの舞台裏「本番より代表選考の方がキツい」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ロンドン五輪の卓球女子団体銀メダリスト平野早矢香さん

平野 私たち外部の者は見守ることしかできないのですが、私個人としては、選手それぞれが必死に頑張ってると思うので、みんなが故障なく良い状態で正々堂々と勝負をして、代表が決まってほしいと思いますね。

――現在の選考ポイント上位3人は全員、2000年生まれの23歳です。 

平野 私たちの頃でいうと23歳は『ここから』というくらいでしたが、早田選手、平野選手、伊藤選手たちは、中学生、高校生の頃からトップでやっていたので、そういった意味では今、成熟期に入ってきていると思います。今の選手たちは小さい頃から海外にも出ているので、経験値もすごく高いです。

選考レース1位、早田の凄さとは?

――その中でトップにいるのが早田選手です。

平野 もともと早田選手は卓球界ではすごく能力が高く、将来必ず強くなると言われていました。能力の高さにはいろいろあるのですが、まず、すごく体格が良い。今までの日本選手はちょっと小さくて動きが素早く、ピッチの速さがある選手が多かったと思うのですが、早田選手の場合は身長が高くてパワーがあり、中国の選手のようなスタイルです。運動能力が高くて男子並みに動けるし、フットワークも良い。サウスポーという武器もあります。

――この2年で大きく成長できた要因はどこにあるのでしょうか?

平野 ここ最近、世界的な大会で活躍するようになった理由は、力任せだけではないところが身についたからだと思います。相手との駆け引きや戦術・戦略の部分です。早田選手は強いボールを持っていますが、例えばパワーで打ち抜くだけではなく、相手のやりにくいコースを狙って相手にミスさせるなど、粘り強さが身についてきています。

 卓球の場合は、いくら力強いボールを持っていてもここに来ると分かれば絶対にブロックできるんです。そのため、力任せで打っても相手に返されたりすることがあったのですが、今は少しパワーをセーブしてタイミングをずらすなど、駆け引きのレベルが上がったと思います。

 もちろん、以前からの持ち味でもある威力のあるフォアハンドドライブも要所要所に挟んで戦いますので、相手からすると読みにくくなりますよね。

――現時点で、パリ五輪代表選考レースでは2位の平野選手と3位の伊藤選手の差がわずかしかありません。2人の心理状況はどのような感じだと推察しますか? 自分のことに集中するべきか、周りのこともしっかり把握しておくべきか……。

平野 難しいと思います。今回の選考レースでは、自分が優勝しても、相手が2位なのか3位なのかによって点差が変わりますから。ただ、周りのことに意識を向けると自分が崩れてしまいます。おそらく2人ともそれは分かっているし、少なからず意識はしてしまうけれど、しないようにと考えていると思いますね。

【次ページ】 あのロンドン五輪も「仲良しグループ的な感じはなかった」

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