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「カマダは…好きなタイプだ。だが」サッリ親分“鎌田大地サブ続きのワケ”に思い出す中村俊輔、小笠原満男の“イタリアサッカー観との違い”
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byIvan Romano/Getty Images
posted2023/11/30 20:11
鎌田大地はチャンピオンズリーグ、セリエAとベンチスタートの機会が増えている
サレルニターナ戦での64分、鎌田はペナルティエリア前に飛び込み、右のF・アンデルソンからのパスを左前方にいたFWインモービレへワンタッチで繋げようと試みた。寸前でマーカーに阻まれはしたものの、繋がっていれば確実に得点機となるはずの惜しいトライだった。
フランクフルトだったなら、と言っても始まらないことは鎌田本人が誰より痛感しているはずだ。1月にはアジアカップでチームを長く離れる。それまでの数試合が、2024年の鎌田の運命を左右するのは間違いない。
CLでチームが好転する奇跡を信じたい
アウェーゲームに敗れた後、ラツィオはサレルノ駅から首都ローマへ電車で帰路に就いた。
駅では遠征に駆けつけた約500人のラツィアーレたちと出くわした。不満たらたらのサポーターたちは、公衆の面前で不甲斐ないチームに再び激しく抗議した。彼らとローマまで同乗せざるをえなかった選手たちは、さぞかし針のむしろ気分だったにちがいない。
「CLは国内リーグ戦とは流れが変わる。チームが好転するという奇跡を信じたい」(サッリ)
再起か決壊か。
CLセルティック戦は、ラツィオとサッリ親分、鎌田の全員にとって浮沈をかけた一戦となった――。
<第3回に続く>