濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「美も含めて、自信は100%です」安納サオリ“知名度急上昇”の裏にあった思いとは? 人気レスラーこれからの可能性「自慢の存在でありたい」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2023/11/17 11:01
スターダムではリーグ戦出場、OZアカデミーやセンダイガールズなどさまざまな団体で活躍を続ける安納サオリ
さらに10月22日、OZアカデミーのビッグマッチ・横浜武道館大会に出場。団体トップである尾崎魔弓、翔と組みデスマッチで勝利した。対戦したのはマーベラスから乗り込んできた長与千種&渡辺智子&桃野美桜。安納は開始直後から長与と場外戦を繰り広げる。女子プロレス史上最大のスター、レジェンド中のレジェンドとは初対戦だった。
「いきなり“はじめまして!”って言われたと思ったら鉄柵に放り投げられました。やっぱり存在感が凄かった。でもそこで遠慮する安納サオリではないので」
長与をテーブルに叩きつけて流血させると鞭で首を絞め、イス攻撃も。ヒールユニット「正危軍」のメンバーとしての闘いを楽しんだという。
リーグ戦からタイトル挑戦表明に地方遠征、レジェンドとのデスマッチ。怒涛の日々というしかない。ましてスターダム、センダイガールズ、OZどこに行っても主要カードである。息つく暇もないはずだが、それが合っているそうだ。
「5★STAR GPが終わって、変に間をあけずに次の試合があったのはよかったですね。私は基本グータラなので、休みがあると家に引き篭もっちゃう。リングに立ってないと体が忘れちゃう気がするし、気持ちの面でも“安納サオリ”を忘れそうになりますね。次々と強敵と闘って、それをたくさんの方に届ける。そこから課題も見つかりますし。常に何かしら動いていたいです」
「周りの人たちにとって自慢の存在でありたい」
オフの日に大好きな故郷・滋賀に帰ったら“プロレスラー・安納サオリ”が一瞬、消えましたと笑う。とはいえ滋賀でもやることがある。11月19日に2回目の凱旋興行を開催するのだ。子供の頃から学んできたダンスとプロレスのコラボイベント。共に大会を運営するダンス仲間の桑名菜奈さんと準備を進め、ダンスの練習も。
「大会を開催するのは大変で。でもプロレスファンの方たちに私が生まれ育った滋賀に来てほしいし、滋賀の方たちにプロレスを見てほしくて」
スターダム参戦に伴うメディア露出もあってか、同級生からメールやSNSのメッセージをもらうことが増えたそうだ。「地元の自慢やで」と言われることが本当に嬉しい。
「周りの人たちにとって自慢の存在でありたいんです。それは昔から思ってることですね」
スターダムで白いベルトに挑むのが11月18日の大阪大会。滋賀での自主興行が翌19日だから大事な連戦になる。保持しているタッグ王座と合わせて、2本のベルトを地元の人たちに見てもらえるかもしれない。