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オリックス・山本由伸の“日本ラスト登板”魂の138球は阪神ファンの心も揺さぶった? 岡田彰布監督は「また山本が投げるんやったらのう…」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/11/05 15:45
日本シリーズ第6戦、オリックスの山本由伸はシリーズ記録となる14奪三振で138球完投勝利を飾った
「しっかり落ち着いて投げられました。4回、5回くらいからすごく調子を取り戻せたので、そこから思い切っていくだけだった」
このピンチを凌いだのを境に、山本の投球内容が変わっていった。
7回には近本に2死から右前安打、2番の中野拓夢内野手に三塁線への内野安打を許したが、3番の森下翔太外野手を153kmのインハイ真っ直ぐで押し込んで詰まった二飛に抑える。あとは危なげなく淡々と三振の山を築いて、終わってみれば9回終了試合では1999年のダイエー・工藤公康投手と2007年の日本ハム・ダルビッシュ有投手ら過去2人がマークしたシリーズ記録の1試合13奪三振を塗り替える14奪三振での完投劇だった。
明日また山本が投げるなら、対策練らなあかんけど
「最初はようなかったみたいやからなあ……ようなかったやろ? まあ、あの後やな。(ノイジーの)ホームランの後やな。だから最初に崩したいよな」
第1戦に続いての山本攻略に失敗した阪神・岡田監督は、ちょっとイラついた様子で記者の質問に答えてこう続けた。
「まあそんなん、今さら言うてもしゃあないよ。明日また山本が投げるんやったらのう、対策練らなあかんけど、またピッチャーが替わるんやから、別にオマエ、1年ぐらい会えへんわ」
その言葉に「これが山本の日本での最終登板で」とあえて突っ込む雰囲気ではなかった。
“逆王手”からの勝敗は?
シリーズはオリックスの逆王手で第7戦にもつれこむ。