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5球団競合ドラフト1位で「1年目からプレッシャーがあった」ソフトバンク→日本ハム移籍でブレーク、田中正義29歳が振り返る6年間の苦闘

posted2023/11/07 11:01

 
5球団競合ドラフト1位で「1年目からプレッシャーがあった」ソフトバンク→日本ハム移籍でブレーク、田中正義29歳が振り返る6年間の苦闘<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

今年1月、人的補償でソフトバンクから日本ハムへ移籍した田中正義。2016年ドラフト1位の右腕がソフトバンクでの6年間を振り返った

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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Sankei Shimbun

 今年のドラフト会議では122人の選手が指名を受けた。選ばれし者のみが立つことのできるプロ野球の舞台。しかし一度足を踏み入れればそこは、厳しくも残酷な競争の場でもある。「ドラ1」選手としての苦悩、突然訪れた転機に掴み取った一筋の光――。今シーズン、FA移籍の人的補償で福岡ソフトバンクホークスから北海道日本ハムファイターズに移籍し、“守護神”として覚醒した田中正義投手がNumber Webのインタビューに答えた。〈全2回の前編/後編を読む〉

1年前、この状況は全く考えてもみなかった

 長い葛藤の末に今、充実の秋を迎えている。新天地の日本ハムでは今シーズン、リリーフとして47試合に登板し、2勝3敗25セーブ。プロ7年目にして、「初セーブ」、「初勝利」、「初のお立ち台」など、歓喜の瞬間が一気に訪れた大忙しの1年だった。

「1年前の秋に、この状況は全く考えてもみなかったですね。想像もしていないようなことがたくさん起こりました……」

 遡ること1年前の秋、田中は焦っていた。右肩痛のため開幕から出遅れ、夏場になって初めて一軍に昇格して中継ぎで5試合に登板。失点0と潜在能力の高さは見せたが、満足する結果とは程遠いままソフトバンクでの6年目が終わった。6年間で登板34試合、0勝1敗、防御率4.25。

「もう、今年爪痕を残さないと、来年ホークスにはいられないだろうな、と。焦りというか、とにかく結果を出したいという思いで過ごしていたように思います」

チームは変わってもスポーツが変わるわけじゃない

 秋季キャンプを終え、12月2日に100万円ダウンの年俸1200万円で契約更改。新シーズンへの思いを高めていた新年1月10日、予想もしなかった報せが飛び込んできた。フリーエージェント(FA)権を行使してソフトバンクへ移籍した近藤健介外野手の人的補償として、日本ハムが田中を指名したのだ。

【次ページ】 ホークスでお前の姿を見られないのは残念だけど…

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