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「最悪だ」31歳ネイマールの左ひざ大ケガは「全治半年か8~10カ月」…39度目故障で“不要論”ブラジル代表から去る末路なのか
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byREUTERS/AFLO
posted2023/10/21 17:00
ウルグアイ戦を前にしたネイマール。この試合でまさかの悲劇が起こるとは……。
ネイマールはセレソンでの通算得点記録を79まで伸ばし、ペレを抜いて歴代トップに立った。しかし、結果的に、彼が新チームで輝いたのはこの試合が最初で最後だった。
第2節ではペルーに1-0で辛勝したが、第3節ベネズエラ戦(ホーム)ではトップ下で攻撃の組み立てを担ったネイマールに精彩がなく、1-1の引き分け。背番号10は、試合後、観客からポップコーンを投げつけられて激怒した。
そして、17日のウルグアイ戦の前半でも違いを作り出すことができず、セレソンは得点はおろかシュートを放つことすらできなかった。後半にも失点を喫し、0-2と完敗した。
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セレソンにとって、W杯南米予選で実に8年ぶりの敗戦。しかもエースの長期離脱が決まったとあって、悪夢のような試合だった。
ネイマールは、アルヒラルで公式戦5試合出場(無得点3アシスト)しただけで、事実上、今季が終わった。セレソンでも、少なくとも来年6月から7月にかけて行なわれるコパ・アメリカ(南米選手権)までの欠場が決まった。
このような状況で、ブラジル国内では「今後、ネイマールがいないセレソンは2026年W杯南米予選をどう戦うのか」という議論がかまびすしい。
意外にもネイマール不在を嘆く声は多くない
日本のファンにとっては意外かもしれないが、一部のファンを除き、母国のメディアと国民の間でネイマール不在を嘆く声は多くない。
元ブラジル代表CFカーザグランジは、「近年、ネイマールはセレソンに役立つどころか有害な存在となっていた。彼が王様然として自分勝手なプレーをするせいで、ビニシウス(レアル・マドリー)ら若手が犠牲になっていた。私が監督なら、今回のW杯南米予選では最初から彼を招集していない。今回の故障は、ジニスがネイマール抜きでチームを作ることを決意する絶好のきっかけとなった」と語る。