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柳田将洋もびっくり高橋慶帆(20歳)の急成長、身長206cmの大学生は愛されキャラ…高橋藍に続け! 男子バレーに新星がどんどん出現する理由
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byAFLO SPORT
posted2023/10/18 11:04
パリ五輪予選の直前に中国で開催されていたアジア大会に出場した高橋慶帆(20歳/法政大学2年)。メダル獲得に貢献し、大きく飛躍した大会となった
高い打点から幅広いコースに打ち分け、強打一辺倒ではなく、ブロックを利用したりフェイントなど軟打も巧みに織り交ぜ、明らかに選択肢が増えていた。得点を決めても、決まらなくても、気持ちを前面に出し、しっかりとチームメイトの目を見てコミュニケーションをとる。闘志と自信に満ちていた。
今年2月にA代表のフィリップ・ブラン監督のもと、学生のフランス合宿を行った際に口酸っぱく言われた“ファイティングスピリット”と“コミュニケーション”を実践していた。
アジア大会に出場したセッターの深津旭弘(東京グレートベアーズ)は、「いいメンタルも持っているしポテンシャルも高いし、本当に頼れる選手。見ていても楽しかったですよ」と嬉しそうに振り返った。
覚醒した新戦力。ただA代表には西田有志(パナソニック)、宮浦健人(パリ・バレー)という超強力なオポジット2人がいて、割って入るのは並大抵のことではない。しかも西田は23歳、宮浦も24歳と若い。
「あの2人は堅いですから、なかなかキツイですよね」と真保監督は苦笑しながらもこう続けた。
「2人よりいいものとしては、ブロック力でしょうか。慶帆は高さがあるし、若いけれど戦術眼があって駆け引きもできる。チャンスは多くないかもしれませんが、来年のネーションズリーグに出られるでしょうから、そこで結果を出すしかないでしょうね」
“身長206cm”期待の18歳・麻野堅斗
もう1人、B代表でアピールした若手がミドルブロッカーの麻野堅斗(早稲田大学1年)だ。この春、東山高校を卒業したばかりの18歳だが、B代表では不動のスタメンだった。
持ち味はブロック。身長206cmの高さに加え、横への移動スピードも速く、戦術の理解力にも長ける。また、真保監督や柳田、深津が「図太い」「いい意味で鈍感」と口を揃える物怖じしない性格も武器だ。
日本代表最年長36歳の深津がこんなエピソードを教えてくれた。
「夏場、高校生のインターハイが開催されていた時期に、堅斗に『去年インターハイどうだった?』と聞いたら、『優勝しました』って得意げに(笑)。そのあと僕に、『アキさん(深津)は現役時代インターハイ何位だったんですか?』って聞くんですよ。『お前ふざけんなよ!今も現役だわ!』って(笑)。あいつはそういうやつです」
そんな愛されキャラは来年以降、A代表でもチャンスが増えることだろう。