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「鼻が曲がっちゃったけど、まぁいっか」ラグビーW杯“死闘”を制した“南アの鉄人”が世界一になるために日本を選んだ理由…来日6年目「箸は完璧」 

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藤原志織

藤原志織Shiori Fujiwara

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2023/10/17 11:03

「鼻が曲がっちゃったけど、まぁいっか」ラグビーW杯“死闘”を制した“南アの鉄人”が世界一になるために日本を選んだ理由…来日6年目「箸は完璧」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ラグビーW杯優勝候補フランスとの死闘を制した南アフリカ。日本でもお馴染みのクワッガ・スミスは、途中出場ながら“いつも通り”の存在感を発揮した

 磐田での暮らしは、今年で6年目を迎える。サファリで見かけるような野生動物には会えないが、自然豊かで静かな環境、町で出会う人たちの温かさをとても気に入っているという。

 クワッガはグラウンドから離れるとラグビーの話はほとんどしないタイプだ。オフの日は、仲間や家族とリフレッシュの時間を全力で楽しむ。桜の咲く季節はお花見、冬はゲレンデでスキーと、日本の四季を満喫している。日本食にも親しみ、お箸は完璧に使いこなすが、「麺類は食べているのを見たことがない。うどんも蕎麦もラーメンも。チキンはよく食べているけどね」とは、チームメイトのサム・グリーン談。

 ミーティングや円陣の中では、キャプテンとしてシンプルながら熱い言葉で選手たちの心を打つ。たまに髪の毛がピョンと跳ねたままになっているのは、ご愛嬌。試合後は選手全員を引き連れてファンが待つスタンドに向かい、「気をつけ!礼!」と日本語で号令する。「気をつけ!」と言いながら頭を深々と下げるのも、「礼!」のときに頭と右手を上げてニコッと微笑んでいるのも、またご愛嬌。

 南アフリカの大地のように、いつでもおおらかでシンプル、そして本能的。それでいて実直なラガーマン。12月には、リーグワンの新シーズンが開幕する。悠々とした心のなかに、溢れんばかりのエナジーを――願わくば世界一の勲章も抱えて、クワッガ・スミスはフランスから磐田に帰って来る。

◇ ◇ ◇

 ラグビーW杯セミファイナルに駒を進めた南アフリカは、予選プールで日本を退けたイングランドと対戦する。2019年大会決勝と同カードとなった一戦は10月22日(日)早朝4時キックオフ。リーグワンでもお馴染みのプレーヤーたちの勇姿を目に焼き付けたい。

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