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立教大監督“女子部員との不適切な関係”、選手は「なんとなく知っていた」…監督不在で箱根予選会を通過、それでも口にした「前監督への感謝」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Suenaga
posted2023/10/17 06:02
箱根駅伝予選会を6位で通過し、頭を下げる選手たち。監督の解任から予選通過までを選手たちの証言で振り返る
騒動が連日、大きく報道される中、選手たちを応援する声が増えていたが、中には誹謗中傷もあった。宮澤主将を軸に集まってミーティングをした結果、予選会前の大事な時期ゆえ、出走者は予選会に集中してもらい、対外的な対応は原田総監督、林コーチ、宮澤主将、寮長が引き受けることになった。
出走メンバーは「みんなで話し合って決めました」
予選会を2日後に控えた木曜日、予選会にエントリ―された14名が集まり、出走するメンバー12名を決めるミーティングが開かれた。
「さぁどうするかということになった時、直前の調子や今までの練習の状態を見ながらトータルで判断しようと、みんなで話し合って決めました。特に問題はなく、みんな納得しての結論になりましたが、外れた岸本(健太郎・4年)と原田(颯大・1年)は悔しい気持ちがあったと思います」
決めた後のポイント練習は熱が入り、中山はメンバーのやる気に手応えを感じたという。
予選会の戦術は上野前監督が考えていたプランをベースにもう一度、選手で考えた結果、関口絢太(4年)、中山らはフリーで走り、あとは15キロまで集団で前を追うことを決めた。
今、思うとあの騒動がターニングポイントになりました
果たしてレースは、その狙い通りの展開になった。
「1週間前から調子が上がり、コンディションが良かった」という関口は終始、日本人の先頭集団に位置し、62分15秒で総合14位と好走した。
その後を追うように馬場賢人(2年)も62分台(62分35秒)で31位、中山も62分47秒で36位とつづき、100位内に6人が入り、総合タイムの10時間37分06秒は昨年(10時間46分18秒)よりも9分短縮しての6位通過だった。集団からこぼれた選手もいたが、林コーチは「本当は、もう少し上の順位をと思っていましたが、おおむねうまくいった」と満足そうな笑みを見せた。
「今、思うとあの騒動がターニングポイントになりました」
箱根駅伝で1区を走った林虎大朗(3年)は、そう語る。