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「僕の弟子だね」バスケW杯欠場も…八村塁が過ごした“最高の夏”「できる限りレブロンと」“信頼するコーチ”の一言から始まった夢の特訓
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2023/10/11 11:03
メディアデーの壇上で笑顔を見せる八村塁。このオフはレブロン・ジェームズと共に練習し、多くの学びを得た
そういえば、メディアデーの会見で、記者たちから「このオフに痩せたのではないですか?」と聞かれた八村は、少しムっとしたように、「あれはレイカーズのソーシャルメディア担当者がいけないんです。僕とレブロンが並んで写っている写真を載せるから。僕の体重は問題ないですし、昨季と変わっていないです」と、まるで「痩せた」と言われたことが侮辱であるかのように反論していた。
NBAでオフ明けに「痩せた」「絞った」と言われることは決して悪いこととは限らないのだが、レブロンから「同じような身体のタイプ」と言われた八村にとって、今、目指しているのはレブロンの筋力なのだろう。
“レブロンに弟子入り”は史上初?
これまでも八村はオフシーズンになると、自分なりの練習を積んできた。それでも、この夏は、過去の練習とはまったく違うレベルの練習ができたのだという。
「レベルとしてはすごい高いことやっているので。僕としては今までにやったことないフットワークとか、シューティングの練習の仕方をやっていた。あと、(レブロンの)練習に対する真剣さとか、そういうところも伝わりました」
バスケットボール史上でもトップクラスの名選手と同じチームでプレーするだけでも貴重な経験なのだが、レブロンが20年のNBAキャリアで学んだことを、何カ月もかけて直接伝授してもらうというのは何にも代え難いことだ。誰にでもできることではない。
実際、レブロンに、この夏の八村のように、オフシーズンを通して毎日、共に練習をしたことがある選手がこれまでいたかと聞いてみると、「ルイだけだ」との答えが返ってきた。大学生の長男ブロニーと、高校生の次男ブライスは別にして、レブロンとここまで密にワークアウトした選手は初めてというわけだ。
そんなレブロンとの特訓で成長を感じている八村は、今シーズンに向けていくつかの目標を掲げた。オフェンスでは、得意のミッドレンジだけに頼らず、アグレッシブにゴールに攻めること。
「ミッドレンジのシュートが打てることはわかっているので、もっとアグレッシブにゴールに攻め込みたい。ウェイトもやってきて、身体も強くなったし、フットワークもよくなったから、もっと簡単なシュートを多く打てるようにと思っています」