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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「ミトマにマンCが興味」「ミトマ、アーセナル移籍も」報道は疑わしかった…ブライトン取材歴36年の番記者が明かす三笘薫“移籍市場の真相”
text by
アンディ・ネイラー(The Athletic)Andy Naylor
photograph byAFLO
posted2023/09/21 11:06
昨シーズン、10ゴール・7アシストという記録を残した三笘薫(26歳)。移籍市場でも様々な噂が報道された
デゼルビ監督はファティについて「アンスは9番(=ストライカー)でも10番(=トップ下)でもプレーできる。左右両サイドのウインガーとしても機能する」と語っており、ひとつのポジションに固定することなく、柔軟に起用していく方針を示している。つまりファティは、三笘のライバルでもなければ、後釜でもない。あくまでもエンシソの代役として迎え入れたわけだ。
日程から考えても、ファティの獲得は不可欠だった。
今季、欧州リーグに参戦するブライトンは、超過密日程で戦っていくことになる。国内リーグ戦の38試合に加え、欧州リーグのグループステージが6試合。これだけで、すでに44試合だ。マルセイユ、アヤックス、AEKアテネと同居した欧州リーグのグループリーグを勝ち抜けば、試合数はさらに増える。
またFAカップとリーグカップの国内カップ戦も入ってくるため、おそらく今シーズンは50試合前後を戦うはずだ。
ブライトンはもともと選手層が厚いと言えず、デゼルビ監督も、エンシソの穴を一刻も早く埋める必要があると考えた。そこに降って湧いたのがファティのレンタル移籍だった。当初はトッテナム行きが有力視されていたが、デゼルビ監督が自らファティに電話をかけ、役割や構想などを伝えたという。ファティも熱心な勧誘に惹かれ、すぐに契約がまとまったという。
デゼルビから“新しい注文”
ここからは、三笘について記したい。
プレミア挑戦1年目となった昨シーズンの活躍は、「素晴らしい」の一言だった。デゼルビ監督の就任を機に序列を一気に引き上げ、レギュラーに定着。最終的に10ゴール、7アシストの成績を残した。主力として躍動したそのプレーは大いに評価できる。
ただ、課題がないわけではなかった。4月から過密日程に入ると、得点、アシスト数が著しく減り、プレー自体も迫力が低下した。ブライトンで約3日ごとに試合が続き、さらに3月には国際マッチウィークで日本への長距離移動を強いられたことで、コンディションを落としたのが原因だったように思う。それだけに、今シーズンはいかにベストコンディションを維持できるか。ここがポイントになるのは間違いない。
さらにデゼルビ監督は、三笘にもうひとつ注文をつけている。それは中盤でのプレーだ。
サイドから縦への突破はたしかに素晴らしい。だが中盤の中寄りにポジションを移すと、パスワークへの参加の仕方、ボールの受け方、出し方に課題があると指摘している。パスワークにスムーズに絡めるようになれば、三笘はアタッカーとしてさらに進化するだろう。
英タブロイド紙の報道は疑わしかった
今夏の移籍期間、その三笘に移籍の噂が浮上した。英タブロイド紙が「マンチェスター・Cが三笘に興味」と報じたり、あるいは別の報道機関が「アーセナルが興味を示している」とも伝えた。