プレミアリーグの時間BACK NUMBER
メッシ神アシストに沈んだイングランド“本当の敗因”はトゥヘル采配ではなく…「ケイン代役の不在」「じつはアンケート57%が“W杯16強敗退”予想」
posted2026/07/22 19:23
アルゼンチンに痛恨の逆転負けを喫したイングランド代表。1966年大会以来のW杯制覇はならなかった
text by

山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Kaoru Watanabe/JMPA
ゴードン、ジェームズの役割を誰も…
イングランド代表は、北通米W杯欧州予選当時から守備に不安材料を抱えていた。正CBコンビが定まらなかったからだ。今大会でも、4バックのスタメンに同じ顔ぶれが並んだのは2試合だけ。最後尾のGKジョーダン・ピックフォードが、「キャリア最高」と形容されたセーブでチームを救う場面は、アルゼンチン戦以外でも見られた。
指揮官のトーマス・トゥヘルが、大会を通じて守備陣の頭数を増やさなければと考えても不思議ではない。
試合終盤に痛恨の逆転負けを喫したアルゼンチン戦、トゥヘルは後半32分にデクラン・ライスとリース・ジェームズに代えて、左SBニコ・オライリーとCBダン・バーンを投入している。病み上がりのライスは疲れを隠せず、ハムストリングに爆弾を抱えるジェームズは、足がつってピッチに腰を下ろして間もなかった。
ADVERTISEMENT
ゴードンに続いて、ジェームズも交代したイングランドは、メッシへのパスルートを消すことができなくなった。ベンチに下がった2人が担っていた役割を誰も受け持てなかった結果、後半40分にCKからの流れで、メッシのラストパスを受けたエンソ・フェルナンデスの同点ミドルを浴びた。
追いつかれた直後には、一方的に守勢が続く中で攻撃の選手を送り出す手もあるのでは――例えばハリー・ケイン交代でも良いのではないかと感じられた。戦況的に難しかったとはいえ下がりっぱなしの状況で、前線に蹴り出すオプションもなかった。トップ下のジュード・べリンガムにも同じことが言えたが、準々決勝までの6試合でケインと同じ7得点に直接絡んでいた23歳は、マイボールとなればドリブルで攻め上がろうとし、チームで最も勇敢なプレーを見せていた。
ケインの代役CFがいない問題
しかし監督の立場で見れば、ケインは替えの効かない存在だ。物理的にも、代役がいない。招集しなかったわけではなく、他にトップクラスのCFがいないのだ。

