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「2024年にはUFCフライ級王座を獲ります」 沖縄出身ファイター・平良達郎の快進撃「井上(尚弥)さんは雲の上の存在で…」
posted2023/09/03 11:05
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
Getty Images
14戦全勝と快進撃を続ける、MMA(総合格闘技)期待の日本人ファイターがいる。昨年5月以来、世界最大規模のMMAプロモーション『UFC』に参戦中の平良達郎だ。
「UFCはMMAのメジャーリーグ。各階級の一番を決める舞台です」
オクタゴンと呼ばれるUFC独自の八角形のケージ(金網)に囲まれた舞台で闘っても4連勝中。この連勝記録は堀口恭司に並び、日本人選手としては8年ぶりの快挙だ。
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「UFCに上がるようになって海外の選手とも互角に渡りあえるということが自信となり、自分を信用できるようになりました」
平良の長所はグラウンドで極め切る、ずば抜けたスキルを持ち合わせているところだ。14勝のうち7勝を極め技による一本で、3勝をパウンド(寝ている状態の相手に放つパンチ全般)によるTKOで収めている。
「試合中はどうやったらフィニッシュにつながるか、どんな攻撃の選択をしたら相手がイヤがったり、スタミナをロスするかを考えながら闘っていますね」
戦略は何歩先までも読むほど緻密ながら、自分の記録には無頓着で、ときには「何連勝だっけ?」と迷うこともしばしば。過去より、未来を重視するタイプなのだ。
「良くも悪くも対戦相手が決まれば、ほかのことはどうでもよくなる。次の試合に勝つことだけを考えます」
生まれも育ちも沖縄、知名度は右肩上がり
生まれも育ちも沖縄で、現在も那覇にあるTheパラエストラ沖縄を練習の拠点とする。ソーキそばをこよなく愛し、海外から帰国すれば馴染みの店で大好物をすする。
「もうひとつ沖縄と聞かれて真っ先に思い浮かぶのは三味線(三線)。僕は全く弾けないけど、おじいちゃんが上手だったので、いつかはおじいちゃんのそれを譲り受けて練習しようかと思っています」
地元では平良の知名度は右肩上がりである。今年3月に沖縄限定で、平良の切手が5種類1セットで発売され、瞬時に売り切れた。
「発売が決定したときはタイで練習中で、『あっ、自分が切手になるんだ』程度の感覚しかなかった。僕は1枚も持っていないけど、周囲から『切手になるなんて本当にすごい』という評価をもらって驚いています」
街角で声をかけられることも多くなってきた。「ただ、僕はめちゃくちゃコミュニケーション能力が高い方ではないので、知らない人からいきなり話しかけられると、『た、平良です』とかしこまった返事をしてしまうこともあります(苦笑)」