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「体操教室で靴飛ばしも…」佐藤弘道が実践する“負ける子を作らない”教育法…40代で大学院へ、“体操のお兄さん”のセカンドキャリアが凄かった
posted2023/08/25 11:03
text by
音部美穂Miho Otobe
photograph by
Shiro Miyake
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――弘道さんは、「おかあさんといっしょ」を卒業する3年前に、ご自身の体操クラブ「らくがきっ子体操クラブ」を立ち上げましたね。これは卒業後のセカンドキャリアを見据えて……ということだったんでしょうか?
佐藤弘道さん(以下、弘道さん) いずれ卒業する時期が来るので、ベースだけは準備しておこうと思って。ただ、僕にとっては、「体操教室を開いて子どもたちに教えたい」という思いがもともとあって、その前に、たまたま体操のお兄さんになった……という感覚なんですよ。だから、セカンドキャリアというよりも、ずっとやりたかったことにようやく着手したという感じだったのかもしれません。
――「らくがきっ子体操クラブ」では、どのようなことを教えているのですか?
弘道さん 競技者育成ではなく、体と心を育てることを目的にしたクラブです。だから、技を練習するのではなく、遊びを通じて楽しく運動をすることを大切にしています。
あとは、運動を好きになってもらうことも大きな目的です。教室では靴飛ばしをやったりするんですが、本来ならば遠くに飛ばしたほうが勝ちですよね。でも、時にはルールを変えて、飛ばした靴を先に取って来た人が勝ちにすれば、遠くに飛ばせない子でも勝てる。「負け続ける子を作らない」というのも、僕らが意識していることなんです。
「靴飛ばしは体幹を鍛えるのにすごくいい」
――体操教室で靴飛ばしをやるんですか!?
弘道さん 実は、靴飛ばしは体幹を鍛えるのにすごくいいんですよ。かつての子どもたちは、遊びの中で自然と体を鍛えていましたが、今は「靴飛ばしは危ないから公園でやったらダメ」という時代。自由に遊べる場が減ると体力低下につながってしまうので、僕のクラブでは思いっきり体を動かせる遊びをたくさん取り入れているんです。
――YouTubeで親子のふれあい遊びを紹介したり、「おかあさんといっしょ」の「あ・そ・ぎゅ~」という親子で体操をするコーナーの監修もされていますね。
弘道さん この親子体操は僕のライフワークとも言えるもの。体操のお兄さんとしての経験、そして何より自分の息子たちと触れ合いながら体操を続けてきて、親子体操には子どもの運動能力を高める効果があると感じていました。