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「息子を明徳に入れたい」スマホNGの寮生活も“なぜ部員100人”? 明徳義塾・馬淵史郎が語る「隠れて携帯持っとるやつもおるやろ」
posted2023/08/18 11:02
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Kei Nakamura
――少子化、野球人気の低下が叫ばれる昨今ですが、明徳もその影響はありますか。
馬淵 うちは1学年平均40人いるので、3学年そろうと120人から130人くらいいるんですよ。
――一時期よりまた増えましたよね。
馬淵 ありがたいことにね。一般受験で入って野球部に入る子もおるから。
なぜ「寮」が人気なのか?
――明徳に少子化は関係ないじゃないですか。
馬淵 ないんですよ。高知県全体でいっても、全国的に見たら、そこまで部員数は減ってない。今年も去年から4人しか減ってないんですよ。というのも、うちと、高知高校と、高知中央は県外の選手が多いので、そのぶんで部員減をカバーしているような状態なんです。一方、県立の室戸高校とかは甲子園も出ていますけど、部員不足で連合を組まざるをえない。高知では今、そういう現象が起きているんです。
――今の時代、この山の中で寮生活を送ることに対して、選手たちは嫌だと言いそうなものですが。
馬淵 それがね、今、一人っ子も多いでしょう。そうすると、寮で集団生活を経験させたいという親もいるんですよ。あと、転勤族とかだと、子どもは寮に入れといた方が安心だとかね。
――古い言い方ですけど、明徳で修行してこい、という親もいるんでしょうね。
馬淵 OBの息子がけっこうおるのよ。自分の子どもには「下手やけど明徳で野球をやらせたい」とか。
――ちなみに、明徳はやはり携帯電話は禁止なのですか?
馬淵 ダメですよ。でも、隠れて持っとるやつもおるやろ。こっそり夜、使ってたり。だから、全面禁止というより、必要な時にすぐ連絡を取れるとか、いい使い方をするよう教育した上で所持を認めるべき時代なんだと思いますよ。
――夜は回収するという高校もありますよね。