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「体重10kg減、体脂肪率20%超→ヒトケタに…」藤澤五月の“あの”バキバキボディを作ったトレーナー・マムシ〇口子(まむしまるくちこ)が明かす「大変身の裏側」
text by
音部美穂Miho Otobe
photograph by写真:本人提供
posted2023/08/10 11:01
大会後にカーリングの藤澤五月選手(右)とポーズをとるトレーナーのマムシ〇口子さん
――藤澤さんは、最初から大会出場を念頭にトレーニングをしていたのでしょうか?
マムシ いえ、当初、藤澤さんは「大会にもちょっと興味はあるんですけど……」くらいで、「この大会にどうしても出たい!」という感じではなかったんですよ。ボディメイクをやりたいと思ったのも、大会のためではなく、自身の体へのコンプレックスを解消したいということでした。
これまでも藤澤さんは、アスリートとしてトレーニングや食事コントロールに取り組んでいたそうですが、「モリモリ食べてガッツリ動く」という、体育会部活の男子のようなスタイルだったそうなんです。そのため、いわゆる女性的な体を意識したウエイトコントロールは経験がなかったそうで、そういった部分にもチャレンジしてみたいという思いがあったのだと聞きました。
「お尻の上部とサイドの筋肉」が藤澤選手の弱点
――実際に、どのような指導をしたのでしょうか?
マムシ 基本的にはオンラインでのトレーニングと食事指導です。最初に、ポージングの練習もしました。その時はまだ大会出場を決めていたわけではなかったのですが、もし大会に出場するのであれば、育てていくべき筋肉があるので、今から出場を視野にいれてコントロールしていったほうがいいと思ったんです。
ボディメイク大会では、ステージ上で規定のポーズを披露します。そのポーズをとったときに筋肉が美しく見えることが重要。ためしにポーズをとってもらったら、お尻の上部とサイド部分の筋肉が弱く、ここが課題なので重点的に強化していこう、と。この部位は、カーリング競技の中ではあまり使ってこなかったそうなんですよ。
一方で、ストーンを投げる際には足の筋肉が必要ですし、スイープには背筋が必要。ですので、そのあたりの筋肉はしっかりついていました。特に、お尻の下部の逆三角形のラインはくっきりしていて、彼女が日頃からかなりトレーニングを積んでいることがよく分かりましたね。
――やはりアスリートの体は全然違うのですね。
マムシ 最初に体を見せてもらった時に、中にしっかり筋肉があるのが分かりました。普通の生徒さんがボディコンテストに出る場合は、まずは増量して筋肉をしっかりつけ、その後、減量して絞り込んでいくというプロセスが必要になる。でも、藤澤さんの場合は、もともと筋肉も体幹もしっかりあったので、増量期間を挟まなかったんですよ。
課題だったお尻の上部とサイドは、ヒップラストやヒップアブダクション、バックキックなどで強化しました。ベースが8割あって、そこに特定の部位の強化という“味付け”があって、あの状態に仕上がったということなんです。
《#2につづく》
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。