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「日本が羨ましい」王国ブラジル記者らが“なでしこカウンター大絶賛”の背景「男子のドイツ、スペイン撃破に続き女子も4-0だろ?嬉しいよ」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHagen Hopkins-FIFA/Getty Images
posted2023/08/03 17:02
なでしこジャパンは美しい高精度カウンターでスペインを完膚なきまでに打ち破った。その戦いぶりで一気に世界の株を上げている
「まだ一度も世界チャンピオンになっていない女子代表なら話は別だが、(通算5回W杯で優勝している)男子代表がこのような戦い方をすれば、仮に大勝したとしてもメディアと国民の一部からは不満の声が出るだろう。それでも、近年はブラジルでも『フットボールで重要なのは効率であり、ポゼッション率ではないこと』が理解されてきている。
また、我々ブラジル人は日本が先端テクノロジーを持つ先進国であり、20世紀初めに日本人移民がブラジルへやってきて、営々と働いて国の発展に尽くしてくれたことから、日本と日本人に好感を抱いている。
日本が昨年の男子W杯でドイツとスペインという優勝経験国を相次いで倒したことは記憶に新しいし、女子の日本代表も強豪スペインを圧倒したことが嬉しい。おまけに、3試合で11得点はGS最多で、失点は0。実に素晴らしい。見事だ」
カタールW杯では“ドイツに日本が屈辱を与えてくれた”
確かに、昨年の男子W杯で日本がドイツを下したときは、「かつて我々に大恥をかかせたドイツに日本が屈辱を与えてくれた(注:2014年の自国開催W杯準決勝で、ブラジルはドイツに1-7という歴史的大敗を喫した)」と喜ぶブラジル人が多かった。
今回、なでしこジャパンが見事な戦いぶりでスペインに大勝したことは、ブラジル人たちに昨年のサムライブルーのドイツ戦、スペイン戦の勝利と同じかそれ以上のインパクトを与えたと感じている。
8月2日に行なわれたグループF最終節でブラジルはジャマイカと0-0で引き分け、グループ3位となって敗退した(1位フランス、2位ジャマイカ)。
筆者が住むアパートの住人は、「(昨年のW杯で準々決勝で敗退した)男子といい、この女子といい、全くひどいもんだ」と怒り心頭。「日本が羨ましいよ。これから先は、君の国を応援するからな」と肩を叩かれた。
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