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熱帯夜トンガ戦の勝利は“良薬”に？ 敵将に「3、4年前の方が強かった」と言われたラグビー日本代表が“W杯まで1カ月”で強化すべきこと
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/08/01 11:03
試合終了間際に訪れたピンチの場面をジャッカルで阻止したHO堀江翔太。何よりも欲しかった“勝利”を掴んで国内最後のテストマッチとなるフィジー戦に臨む
ただし、修正が遅れている箇所がある。キックオフに対する準備だ。
開始早々、いきなり李がノット10mのミスを犯してしまったのは、気持ちのデフレとピンチを招いてしまったので、これはご愛敬では済まされないミス。
また、日本が得点を取ったあとの相手のキックオフが大きな課題で、サモア戦ではノックオンから失点してしまったし、今回、トンガの最初のトライは、キックオフから日本が蹴り返したところのカウンターから生まれたトライだった。
日本は、キックオフからうまく自陣から脱出できない状況が多すぎる。大きな修正ポイントだけに、フィジー戦では注目したい。
また、このトライは日本代表の「ブレイクダウン重視」が招いたトライでもあった。なぜなら、前半の日本はタックルにふたり、ジャッカルにふたりと、ボール争奪に重点を置いていたがために、タッチライン際のわずかなスペースのディフェンスが疎かになっていた（後半はジャッカルにはひとりが入る体制に修正）。
次戦、コーチ陣がどんなポイントを強調するのか、ぜひとも確かめて欲しい。
ファカタヴァの躍動、ガンターとタタフの復帰
一方、明るい材料もある。この試合のMVPは、やっぱりLOのアマト・ファカタヴァだ。
日本の2つ目のトライは、ナイカブラがインゴールに蹴ったボールをファカタヴァが抑えたもの。とてもロックの仕事とは思えないスピードだった。
そして出場停止処分中のリーチに代わって、この日は負傷で出遅れてきたベン・ガンターとテビタ・タタフが登場。やはり彼らの力強さは目を見張るものがあった。ロック、第3列、そしてセンター陣はサバイバルが激しくなってきた。
