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男子バレー46年ぶりの快挙なぜ実現? 石川祐希+優秀セッター&リベロの存在+高橋藍ら若手台頭…まるでドラマみたいな“幸せな好循環”
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byFIVB
posted2023/07/25 17:04
強豪国が集うネーションズリーグにおいて最多得点を叩き出した石川祐希。リーダーシップも際立っていた
その効果をスパイカー陣はハッキリと感じている。
ミドルブロッカーの山内晶大(パナソニック)は、「彼は見えていて、相手が僕に対してコミットブロックで来ている時は上げないし、リードブロックで、待ってるなという時は上げてくれる。去年までより『あ、見てるな』とハッキリ感じますし、いいところで上げてもらっています」と語っていた。
中央大1年時からコンビを組んできた石川は、ファイナルラウンドを前に絶大な信頼を口にしていた。
「去年よりめちゃくちゃブロックを見ていますし、ブロックがいないところに上げています。今の日本チームはブロックが1枚になれば決めるスパイカーばかりなので、相手がどうすればついてこないかということを必死に考えて上げてくれていて、本当にすごい。ミドルもうまく使ってくれるので本当に助けられています。『めっちゃ考えてるな!』というのが、その1本のトスを見ただけでわかる。他のチームと比べても、セッターで全然違うなというふうに思いますね。
アルゼンチンのデセッコ選手やイタリアのジャネッリ選手も結構ブロックを見て上げますけど、他のチームは意外とそうでもないので。まあアメリカのクリステンソン選手、ブラジルのブルーノ選手もやったりしていますけど、関田さんももう同等に上げているので、さすがだなと思います」
日本が誇る唯一無二のセッター
石川が口にしたのは世界を代表する名セッターたちの名前。「(関田を)世界一のセッターと言っても?」と聞くと、「ふふ」といたずらっぽく笑いながらこう答えた。
「身長があれば(笑)」
関田は身長175cmとバレー選手としては小柄だ。でもその言葉は「トスでは世界一」の裏返しに聞こえた。
「今はセッターにもブロック、サーブ、ディフェンスが求められているので。そこ(ブロック)で勝負するのは関田さんは難しい。でもトスの配分はすごいなと思いますし、ブロックも意外とワンタッチを取ったり、ディフェンスはめちゃくちゃ上げる。他のセッターとは違うところで貢献しているので、他のセッターとはまた別というか、違ったセッターかなと思います」と「唯一無二」を強調した。