プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「24歳のスターが来た」アメリカでも注目の的に…スターダム林下詩美が“心の旅”で得たものとは?「ますますカッコよくなりました」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2023/07/25 17:02
7月23日、大田区総合体育館。アメリカから戻った林下詩美は、帰国第1戦となる『5★STAR GP』のリングに向かった
「林下詩美はますますカッコよくなりました」
林下は開幕戦のリングに岩谷麻優を呼び出し、IWGP女子王座への挑戦を表明した。この夏は、リーグ戦とベルト戦が混在する特別な季節になる。
「アメリカに行って、私は自分の原点を見つけて、新しい強さを見つけて帰ってきました。私はIWGPで負けてから、ずっとそのベルトが欲しいと思ってきました。岩谷麻優の持つIWGPのベルトに挑戦させてください」
これに対して、岩谷は言った。
「詩美がQQ(クイーンズ・クエスト)のリーダーとして何がしたいのか、正直さっぱり理解できない。でも詩美がこのIWGPのベルトをどれだけ欲しいか、巻きたいっていう気持ち、それには嘘がない。ちゃんと伝わってる。詩美も諦めなかったら、いつかこのベルトを取れると思う。でも岩谷麻優からは取れないよ。詩美の挑戦、受けます」
林下はIWGP女子王座を取り逃した昨年の悔しさをかみしめていた。
「初代王者決定トーナメント(2022年10月23日の準決勝)で岩谷麻優に敗れてから、あの日のことはすごく脳裏に残っています。悲しかったし、悔しかったし、自分が情けなかったし、いろんな感情がこみ上げてきました。挑戦を表明する時も、その時のことを思い出して涙が出そうでした。ファンとして見ていたIWGP。その遠さも、岩谷麻優との差も感じさせられた試合でした。今回こそは必ず勝って、IWGP女子王座のベルトを巻きたいです」
林下は力強くそう宣言した。海外帰りで気になるのは体調面だが、アメリカで得た収穫は疲労を補って余りあるようだ。
「機内はとにかく寒くて時間も長いし、寝てもすぐ目が覚めての繰り返しで移動疲れはありましたね……。今も時差ボケで変な時間に眠たかったり、逆に寝たい時に眠れなかったり。そこは大変です。でも、林下詩美はアメリカで試合するたびに、ますますカッコよくなりました」
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。