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「こいつ何者?」バウアーを唖然とさせた中日・細川成也…現役ドラフト→球宴出場の24歳が目覚めたレジェンドの言葉と“遅咲きの極意”
posted2023/07/14 11:03
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
JIJI PRESS
30代以上の野球好きなら、中日・細川成也の打撃フォームに既視感を覚えるはずだ。極端なオープンスタンス、上段に構え、小刻みに揺らすタイミングの取り方、そして強烈なフルスイング。似ている、を通り越して“完コピ”だと言われているのは和田一浩打撃コーチの現役時代のフォームである。
チームトップの11本塁打に、リーグ3位タイの48打点。打率.295もリーグ5位につけている(7月14日現在)。5月は月間MVPを受賞し、監督推薦で初のオールスター出場も決めた。まさしく飛ぶ鳥を落とす勢いの24歳だが、昨シーズンオフに実施された現役ドラフトの一期生でもある。阪神で7勝を挙げている大竹耕太郎とともに、大ヒット作と言われている。
昨シーズンまで在籍したDeNAでは、6年間で6本塁打を放つ一方で、粗さが目立ち、とにかく確実性に乏しかった。しかもチームは野手陣が充実しており、チャンスは年々減少傾向にあった。「うちでは使ってあげられないけど、よそのチームでなら」が現役ドラフトの存在意義である。得点力、とりわけ長打力が決定的に欠けている中日にとっては、うってつけの即戦力だった。