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サイ・ヤング賞投手バーランダーが語った大谷翔平と対戦する感覚「ダンスをするように」 大谷のバーランダー評を伝えると…「それは嬉しいね」
posted2023/07/08 17:00
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph by
Nanae Suzuki
現在発売中のNumber1076号掲載の[3度受賞右腕を直撃(1)]バーランダー「打者とダンスをするように」より内容を一部抜粋してお届けします。【記事全文は「NumberPREMIER」にてお読みいただけます】
◆◆◆
「打者との対戦は、ダンスをしているようなものだ」
ダンス?
独特な表現に戸惑っていると、ジャスティン・バーランダーはこう続けた。
「持ち球のフォーシーム、スライダーとカーブをうまく使って、打者の体勢を崩しながら躱していく。力任せで倒すわけではなく、ダンスをするように投げるんだ」
打者の動きを読み、優雅に躱す。
球界広しといえども、打者との対戦をダンスに例えるのはバーランダーくらいではないだろうか。
「(大谷)翔平やマイク・トラウトのような球界を代表する強打者との対戦も、そんな気分だよ」
バーランダーはマウンドという舞台に打者を招き入れ、巧みに相手を踊らせる。そして打者は気づいたら打ち取られている、そんな構図なのだろう。
大谷翔平のバーランダー評とは?
以前、大谷はバーランダーの速球を「品がある」と表現した。
その言葉を伝えると「それはうれしいね。俺も自分のことを洗練された投手だって思いたいからね」と顔を綻ばせた。
今季でメジャー19年目を迎える。新人王、MVP、ワールドシリーズ2度制覇、ノーヒットノーラン3度達成、そしてサイ・ヤング賞3度受賞と、メジャーリーガーが望むほぼすべての偉業を成し遂げてきた。
「多くの人が見逃しがちだけど、われわれは野球選手であると同時に、それぞれの人生を歩む一人の人間なんだ。野球も人生もいろんなことがある。新しいチームメイトや捕手との関係、家族と一緒に新しい街や生活に慣れること。そういった一つ一つのことがスムーズに進むと、フィールドでもいいパフォーマンスができるんだ」
輝かしい実績にばかり目がいくが、怪我や不調で苦しんだ時期もあった。