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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
あの“ピカチュウヘルメット”完成秘話…DeNA担当者が明かす“ポケモンボールパーク”実現までの舞台裏「一番最初に提案したのがヘルメットでした」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2023/07/03 11:05
ピカチュウヘルメットを被ってプレーするDeNAの知野直人。6月30日~7月2日の限定で着用されたヘルメットができるまでの話を担当者に聞いた
2012年にDeNA体制となってからというもの、過去に例のないチャレンジングなイベントをファンに提供してきているが、その最前線でイベントを作り上げる酒井さんとしては、何を大切に仕事に取り組んでいるのだろうか。
「個人的には“開拓者であれ”ということですね。誰もやってこなかったことにチャレンジをする。そしてスタジアムに来ていただいた方に、いい驚きを提供する。弊社にはそういった土壌が間違いなくあると思います」
おしゃべりのきっかけになればいい
やはりこの分野において他球団への対抗意識はあるのだろうか。
「そうですね。チームはもちろん、延いてはプロ野球界、スポーツ業界、地域を盛り上げていきたいという気持ちは強いので、自信のあるものを提供する以上、負けたくないという思いはあります。実際の試合ではチームに頑張って頂点を目指してもらい、エンタメの部分においてもトップになりたいという気持ちが、うちのエンタテインメント部にはあると思います」
そう言うと一呼吸おいて酒井さんはつづけた。
「思うのは、わたしたちの作るイベントが、いろいろな方のおしゃべりのきっかけになればいいって。例えば今回のイベントを見てピカチュウを好きになってくれた人がいたらうれしいですし、ヘルメットをかぶった選手たちがかわいかったねとか、ピカチュウにしか興味なかったけど野球って面白いねって、どこかでふとみなさんの日常に入り込むことができたら嬉しいですね」
どこか野球観戦というものは非日常のイメージがあるが、それを日常に落とし込み、人の心に訴えるのも、イベントを作る者の醍醐味なのかもしれない。
コロナ禍で一旦は客足が遠のいてしまったスタジアムに再び歓声を。DeNAはチーム力とイベント力の両輪で真の頂点を目指す――。