「今回の『ポケモンボールパーク ヨコハマ』が動き出したのは昨年の10月ぐらいからで、具体化したのは年が明けてからです。こちらから企画を提案する際は、やはり世界一のキャラクターと一緒にできるのだから、ここは“DeNAは面白いことをするよね”と言わせたいなと思いました。そこで一番最初に提案させてもらったのが、あのヘルメットだったんです」

　ヘルメットのアイディアを聞いた先方は、驚きを隠せなかったという。

一緒に戦いませんか？

　酒井さんはプレゼンテーションでこう投げかけた。

「ピカチュウのヘルメットやキャップで選手たちと一緒に戦いませんか？」

　試合前やイニング間のイベントだけではなく、ピカチュウそのものが試合の中に入って選手たちとともにプレーをする。

「先方も世界一を目指す戦いを『ポケモンWCS2023』でやりますし、そこで共鳴して頂いた部分もあり、面白い、ぜひやりましょうと言っていただきました」

　GOサインが出た後は、公式戦で使用可能なのかNPB（日本野球機構）への確認や各種調整などがあり、3月ごろにヘルメットとキャップのデザインが決まった。

©Pokémon / Nintendo / Creatures /GAME FREAK.　©YDB

楽しむ選手たち「いいね。やろうよ！」

「すごくいいヘルメットができたと思います。かつてダイエーホークスが使用していた鷹の目とくちばしなどがデザインされたヘルメットがありましたが、野球ファンの方々の心には、あのイメージが今でも鮮明に残っていると思うんです。だからピカチュウヘルメットも『あのときあんなヘルメットあったよね』と後年語り継がれていったらうれしいですよね」

『ポケモンボールパーク ヨコハマ』の準備を進めていく中で、酒井さんの印象に残っているのが選手たちの反応だったという。

「選手たちがすごく楽しんでくれていたんですよ。多くが幼いときからポケモンに接してきた世代ですから、話題には事欠かきません。ヘルメットを見せに行ったとき、もしかしたら否定的な反応をする選手もいるかなと思ったのですが、『おお、いいね。やろうよ！』と言ってくれて、すごくうれしかったことを覚えています」

家族とポケモンセンターに行く戸柱

　4月25日にはイベントの開催記者会見が行われ、チームからは戸柱恭孝と山﨑康晃が参加した。ふたりとも幼いときからポケモンに慣れ親しんできた選手である

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