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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
あの“ピカチュウヘルメット”完成秘話…DeNA担当者が明かす“ポケモンボールパーク”実現までの舞台裏「一番最初に提案したのがヘルメットでした」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2023/07/03 11:05
ピカチュウヘルメットを被ってプレーするDeNAの知野直人。6月30日~7月2日の限定で着用されたヘルメットができるまでの話を担当者に聞いた
「会見にはポケモン好きな選手が出た方が、ベイスターズファンばかりではなくポケモンファンにも声が届くと思ったので、選手にアンケートを取った際、熱意ある回答をしてくれたふたりにお願いしました。とくに戸柱選手は初代から最新作までプレーしていますし、時間があればご家族と一緒に『ポケモンセンター』に買い物に行っているようです。話をしていて『ポケモンと言えば俺だろ!』といった雰囲気が漂っていました(笑)」
苦労したのは「ポケモンを知りすぎていた」
実際の試合では、ピカチュウのキャップとヘルメットをかぶりプレーする選手たちは新鮮であり、斬新だった。またピカチュウがスタジアム内を闊歩し、バックスクリーンに映し出される選手紹介では、好きなポケモンが登場するなどビジュアル的にも非常に面白いものだった。スタジアムに流れている音楽も含め、細部にわたりポケモンテイストたっぷりな演出には圧倒された。
このイベントを作り上げるに至り、困難や大変なことは何かあったのだろうか? そう問うと酒井さんは、しばし黙って考えた。
「そうですね、その面で言うと、僕がポケモンを知りすぎていたから大変でしたね」
酒井さんもどっぷりポケモンに染まった世代であり、好きなキャラクターは「一周まわってカビゴンですね」と言って笑った。
「ポケモン好きとしては、あれもやりたい、これもやりたいというものがたくさんあったのですが、予算などの関係もあり、アイディア止まりで終わってしまったものもありました。非常に楽しくやりがいがある一方で、もどかしさを感じたこともありましたね」
開拓者であれ
先ほどの戸柱の話ではないが、熱意がある人間が作ったからこそ、これまでプロ野球の世界では見たことのない未曽有の空間がハマスタに広がったのだろう。