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「宮里藍以来のすごさですね」23歳古江彩佳のショットを見たメーカー担当はなぜ言葉を失った? 渋野と笹生に続くメジャー制覇への期待感 

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南しずか

南しずかShizuka Minami

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photograph byShizuka Minami

posted2023/05/31 11:04

「宮里藍以来のすごさですね」23歳古江彩佳のショットを見たメーカー担当はなぜ言葉を失った? 渋野と笹生に続くメジャー制覇への期待感<Number Web> photograph by Shizuka Minami

マッチプレーで2年連続で決勝に進出した古江彩佳(23歳)。153cmと小柄ながらも正確なショットとパットを武器に世界と渡り合う

「(ショットの)コントロール性能がすごいです。アメリカのゴルフ場は日本に比べると硬めのコースが多い。だから、ドライバーを打つ場合、少ないスピン量でちょっと打ち出しが高いボールを打てば、着地してから転がっていきます。古江さんはフェアウェイをキープするケースが多いので、より転がっていく。着地してからも飛距離をけっこう伸ばしていました。(米女子ツアーの)パワーヒッターより飛距離の数字は劣りますが、皆さんが想像しているより距離は離されていないと思います」

 コースの硬さや斜面を利用し、ボールの狙い所を定め、着地点から転がる距離も緻密に計算する。アイアンでも中原さんが「170ヤード(約155メートル)離れたところから、直径3m以内を狙う正確さがある」と言うほど、狙い通りのショットを放つことができるのが古江の強みである。

 続けて、中原さんがポツリと言った。

「宮里さん以来のすごさですね」

「2人ともクラブに対してすごく繊細」

 日米ツアー通算24勝を誇る宮里藍は、2010年に日本人選手として初めて世界ランキング1位に立った。瞬く間にスタープレイヤーに成長した先駆者を近くで見守ってきた中原さんは、2人にある共通点があると語る。

「(正確なショットを打つ古江だからこそ)グリップ、クラブの重さ、アイアンの軽量など、クラブに対してすごく繊細で、こだわりがあります。自分の基準をしっかりもっているため、納得しない限り新しいクラブに替えることはありません。(そのこだわりは)宮里さんに通じるものがあります」

 古江はまだアメリカを主戦場として2年目だが、宮里が米ツアー挑戦から4年かかった米ツアー初優勝をルーキーイヤーで成し遂げた。また、古江が記録した10週連続予選通過は宮里の米ルーキー時代を上回っている。単純比較はできないが、世界を代表する宮里に引けを取らない活躍を見せていることで、目利きたちの期待も日に日に大きくなる。

 同様に片平も「楽しみしかない」と渋野日向子、笹生優花に続くメジャー制覇への期待を寄せる。

「マッチプレーとはいえ、メジャー並みのタフなコースセッティングの中、自分の流れを後半に作っていけたというのは、本人の自信になったはずです。この経験はメジャー大会にも活かせると思います」

【次ページ】 「自分のできることはできたと思う」

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