「スタジオでやったから駄目とか、一切ないと思います。どこで習ったとしても、自分がどうブレイキンと向き合っていくかが大事なので」

　それでも、「野」に在ったからこそのオリジナリティも含まれているようにも思えた。

　ふと、福島が言う。

「私が始めた時代と、今とでは全然違っていて、今なんてめちゃくちゃ恵まれてますけど、昔は昔で、そういう風にやりながら頑張ってできたっていうのは、そういう経験ができたっていうのは、今になったらめちゃくちゃ貴重だったなと思います」

音楽があって、それと一緒に踊るっていう感覚

　カナダ留学を終えて帰国後、ブレイキンを軸に生活を考えるほど気持ちは固まっていた。そして今日まで歩んできた。

「音楽があって、それと一緒に踊るっていう感覚でダンスを始めて、それがすごい好きであることも、長く続いている要因なのかなって思います」

　それでも今後について考えさせられる局面もあった。

　怪我により身体と向き合わなければならないときがあり、そしてオリンピックでの採用を受けて、それと向き合わざるを得ないときもあった。

　その時々で福島はどう考え、決断をくだしてきたのか。

〈後編へつづく〉

#2に続く

ブレイキン世界女王に聞いた、五輪種目となって変わったことは？「全部が変わりました」「でも、“やりたいからやろう”とは、なれなかった」