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「アイドルを観る感覚じゃ困ります」WWEから復帰の人気女子レスラーSareeeは“日本の女子プロレス界”を変えるか?「もっと闘いを見せていけたら」 

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堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

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posted2023/05/04 17:02

「アイドルを観る感覚じゃ困ります」WWEから復帰の人気女子レスラーSareeeは“日本の女子プロレス界”を変えるか?「もっと闘いを見せていけたら」<Number Web> photograph by Gantz Horie

日本復帰第1戦で橋本千紘と対戦するSareee

制服にツインテール…アニメのような“キャラ付け”に葛藤

 WWE2年目の2022年2月1日、サレイはNXTに女子高生風の制服姿でメガネをかけ、髪型はツインテールにして登場。おばあちゃんからもらった太陽のネックレスを握りしめると、ピンクを基調にしたリングコスチュームに変身するという、日本のアニメをイメージしたようなキャラクター付けがなされた。

 WWEからすれば、サレイの人気をさらに世界的にアップさせようとの思いからのキャラクターチェンジ指示だったことは間違いない。しかし、Sareeeは15歳でデビューして以来、その愛らしいルックスからアイドル視されることがたびたびありながら、本人はそういった見られ方を否定。伊藤薫、井上京子といった元・全日本女子プロレスの実力派に鍛えられストロングスタイルを貫いてきた生粋の実力派レスラーだ。WWEでも、その“日本の女子プロレス”を世界の人々に見せるために来たとの思いが強かったため、求められることとの違いに葛藤した。

「日本のアニメみたいなキャラクターを最初に求められた時は、さすがに戸惑いましたね。メガネをかけて黒髪でツインテールって言われたときも『こんな女子高生はいまどきいないけどな、日本に』って思いながら。私が『黒髪じゃなくてもいいですか?』とか『ツインテールしないでいいですか?』とか『メガネはしなくてもいいですか?』って聞いても全部却下で(笑)。いままで私がプロレスラーとしてやってたのとは真逆のことというか、そういうことは一切やったことがなかったので。『闘いを見せに来てるんだけどな……』と思いながら、すごい葛藤はあったんです。

 でも、WWEは世界一の団体だし、勉強するものや吸収するものは山ほどあるので、これはせっかくいただいたチャンスなのでもうなりきろう、やり切らなきゃと思いましたね。そこで気持ちを変えてからはサレイとして自分なりにやってきたつもりだし、まったく後悔はしてません。あのキャラクターも途中からどんどん愛着が湧いていったので(笑)」

サレイvs里村が実現しなかったウラ話

 自分のやりたいプロレスとWWEから求められるものの違いに戸惑いながらも奮闘してきたサレイに2022年6月、絶好の転機が訪れる。NXTのイギリス部門「NXT・UK」への参戦が決まったのだ。

 当時のNKT・UK女子王者は“ファイナルボス”里村明衣子。里村といえば、Sareeeのデビュー戦の相手であり、日本の本格派女子プロレスを最も体現するレジェンドだ。サレイは「里村さんとなら自分の理想とするプロレスが見せられる」と対戦をアピールし、8月5日のNXT・UKで里村vsサレイのタイトルマッチが決定。しかし試合当日、里村はリングに現れなかった。ブレア・ダベンポートに襲われ出場不能となり、里村vsサレイは中止になってしまったのだ。

 しかし、これはストーリー上の話で、本当の理由は別にあった。

【次ページ】 女子プロレスへの違和感「アイドルを観る感覚じゃ困りますよ」

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