最高に盛り上がった香港セブンズ。一方で浮き彫りになった日本の惨状。

　芝の上の熱く激しく正確な攻防。スタンドを埋めた観客の熱狂。すべてが愛おしかった。

「やっぱり香港セブンズは特別です」

　選手として、コーチとして、世界中で多くの大会を経験した女子日本代表の鈴木貴士HCは呟いた。

　ワールドシリーズ（WS）の香港大会は昨年11月、前年度の延期された大会が開催されたが、やはり香港セブンズは春が似合う。2016年の五輪種目採用から40年もさかのぼる1976年、キャセイパシフィック航空がスポンサーとなって開催した第1回大会からカレンダーに刻まれてきた恒例行事であり、世界のセブンズのスターも伝説のプレーも春の香港で生まれてきた。